収賄者が収受した賄賂を情を知る上司と分配した疑いがあるが分配額が不明であるときは、賄賂は同人らが等分したものと推定し、収賄者からはその限度で追徴すべきであるとされた事例
1 検察官の取調べ時における言動が違法と評価されたが、その後の取調べ状況などにより自白調書の任意性は肯定された事例
2 被害者を欺罔して心理的に追い詰め、自殺を慫慂して自殺させた場合に、殺人罪が成立するとされた事例
3 騙取的方法で借り受けた借金の返済を免れるため、債権者を殺害した場合に、2項強盗殺人が成立するとされた事例
1 営造物の設置後所有権等すべてを引き渡した者の国賠法2条の設置責任の成否
2 河川の管理者ではあるが樋門の管理者ではない国に河川法75条を根拠に樋門の管理責任を問い得ないとされた事例
3 樋門の管理に瑕疵があったとされた事例
1 将来生ずべき不当利得返還請求権が仮差押えの被保全権利とならないとされた事例
2 債権仮差押異議訴訟の審理中に被仮差押債権の不存在が明らかになった場合と仮差押えの許否
1 移送決定に不服がある者は即時抗告の方法によるべきであり、担当裁判官を相手方とする右決定の理由、根拠について知る権利の存在確認を求める訴えは不適法であるとされた事例
2 移送決定に不服があれば即時抗告の方法によるべきであるのに、担当裁判官等に損害賠償請求をなすのは、嫌がらせを意図してなされたもので訴権の濫用というべきであり、不適法であるとされた事例
ホテルの経営・管理業務を統轄する権限を有し、実質的にも防火防災業務を掌理する者につき、ホテルの火災に備えて、自ら、あるいは従業員に命じて、ホテルに宿泊する客や従業員らの身体、生命の安全を確保するため、防火防災面で万全の対策を講ずべき義務があるとされた事例
1 傍聴人がメモをとることを禁止した裁判長の措置は、憲法21条、国際人権規約B規約19条に違反しない
2 右措置は憲法82条に違反しない
3 右措置は刑訴規則215条に違反しない
4 傍聴人にメモをとることを禁止し、司法記者クラブ所属の報道機関にこれを許可することは、憲法14条に違反しない
小学校の児童が体育の授業中の事故により後日失明した場合に担当教師には事故の状況等を保護者に通知してその対応措置を要請すべき義務はないとされた事例
タクシー運転手に支給した「深夜手当」が労基法所定の深夜割増賃金に当たらないとして、新たに同割増賃金の支給が命じられた事例
売買代金債務を目的とする準消費貸借契約が締結された場合であっても売主が自己の所有権移転登記手続債務につき売買契約に基づいて有していた同時履行の抗弁権を失わないとされた事例
破産法366条の9の5号の免責不許可事由があるが、破産者の行為には免責を不許可にするほどの不誠実性はないとして、免責不許可決定を取り消し、免責の申立てを許可した事例