既に旅券の交付を受けている者が旅券の発給申請書に虚偽の記入をしたうえ別の名義の旅券の交付を受けた場合において、外務大臣が後者の旅券を没取した行為および入国審査官が後者の旅券による出国の確認を拒否した行為等が違法ではないとされた事例
県福祉事務所長が県の非常勤職員に交付した源泉徴収票に同職員の退職年月日を記載したことが、取消訴訟の対象となる行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に核当しないとされた事例
隣接地の基礎工事により建物に生じた損傷につき、工事による割合が7割であるとして、工事業者に対し、建物修補費用から修補により延長した耐用年数に対する割合に相当する額を控除して算出した損害額のうち、7割相当の賠償を認めた事例
公正証書作成当時、遺言者に行為の結果を弁識・判断するに足る精神的能力が欠如していたとして、公正証書による遺言を無効とした事例
1 傷害致死の事案につき、初めの暴行については正当防衛が成立するが、後の暴行については防衛の意思を欠くとして、防衛行為に該当しないとされた事例
2 被害者の治療にあたった医師の措置に特段の過誤があったとは認められないとして、暴行と死との間の因果関係が肯定された事例
いわゆる土地付注文住宅購入契約の購入申込者の低利の公的融資(住宅ローン)の利用という同契約締結の不可欠の前提が交渉途中欠けたため、同契約が不成立とされた事例
監獄内に勾留中の被拘禁者については、その施設の正常な管理運営を保持するため、これに必要な限度において被拘禁者の自由に対し合理的な制限を加えることができるが、右の制限が必要かつ合理的なものであるかどうかは、制限の必要性の程度と制限される自由の内容、これに加えられる具体的制限の態様との較量のうえに立って決せられるべきものであるとされた事例
1 競落土地が法定地上権の目的であった場合につき、民法566条1項(568条1項)の適用があるか(積極)
2 右の場合の担保責任の追及として、競落人は代金減額請求をなしうるか(消極)
1 請負契約の成立が否定された事例
2 契約締結上の過失につき使用者責任が認められた事例
3 具体的に損害が算定できないことを慰謝料算定の事情として考慮した事例
土地明渡しの強制執行により搬出された鉄骨等の物件が、執行官の不注意により破損されたとして、執行債務者の求めた国賠請求が棄却された事例
ともに浄水器である被告商品のベスト活水器が原告商品ピュアネスに外観上の形状が酷似しているとしながらも、原告商品が第三者製造販売の商品の形状を模倣したものであり、ありふれた形状で独自性がないこと、いずれの商品も店頭販売されておらず、右形状が需要者間に商品表示として認識されていないとして商品主体混同行為が否定された事例