通勤電車がストのため叔父から借用した車で会社に出勤した従業員が右車で帰宅途中に惹起した交通事故について、右会社の自賠法3条、民法715条の責任が認められなかった事例
1 船舶が独航能力のないバージをロープを接続して縦列に連ねてえい航中、係留されていた自衛艦にバージが衝突した事故につき船長に過失が認められた事例
2 船舶を借り上げ日常的に指揮監督しながら継続的かつ排他的・独占的に使用して事業に従事させていた海上運送業につき船舶所有者と同様の企業主体としての経済的実体を有するものとして商法704条1項が類推適用され、損害賠償責任認められた事例
道路法58条1項の原因者(損傷者)負担金制度は、不法行為の制度とは異なり、道路管理者に対して優越的地位における行政上の裁量により道路に関する工事または道路の維持の費用の負担を右工事等の原因者に課する命令権限および強制徴収権限を認めたものと解すべきであり、かかる法規の授権に基づき道路管理者に発する給付命令は、民事上の債権と同一ではなく、原因者の故意、過失を要しないことはもとより、その行為の適法、不適法をも問うものではなく、たとえ原因の一端が不可抗力に因る場合でも費用の負担を求めることが行政の目的に合するときは原因者に対し負担命令を発することができる
特許請求の範囲に記載せれている字句が発明の詳細な説明の中にそのままの表現で記載されていなくても、他の表現からその技術的意味を容易に理解することができるならば、請求の範囲と詳細な説明との間に矛盾はなく、審決の指摘する特許請求の範囲の二点に記載不備はないとして、開示不十分とする登録拒絶審決を取り消した事例
点字ブロック等の新たに開発された視力障害者用の安全設備が日本国有鉄道の駅のホームに敷設されていないことと国家賠償法2条1項にいう設置または管理の瑕疵の有無の判断基準
市長が開発事業の用に供されている財産である市有地を売却せず他に低額の賃料で賃貸したことが、市に対する善管注意義務に違反せず損害賠償責任上違法性がないとされた事例
昭和46年8月出生の双生児がいずれも未熟児網膜症により失明するに至った事故につき、当時の医療水準に照らし診療および転送上の義務違背がないとされた事例
荷渡指図書上の被指図人は、荷渡指図書に予め受寄物の引渡義務を承諾する趣旨の副署またはこれに準ずる方法をとらない限り、指図受取人に対し受寄物の引渡義務を負わないとされた事例
産婦が分娩に際し出血性ショックを起こして死亡した事故につき、その医学的機序が明らかでなく、診療関与医らに経過観察、止血措置等に過誤が認められないとして、請求が棄却された事例
大学卒業後、父親が大半の株式を保有する会社に入社し、いずれはその会社(数社)の役員となる予定であった大学生が死亡した場合において、その逸失利益の算定に賃金センサスによった事例
破産手続の開始当時において破産者に対する債権の担保として特定動産につき留保所有権ないし譲渡担保権を有する債権者は、動産の所有権を主張してその取戻しを請求することはできず、別除権者として権利行使をなすべきであるとした事例
1 自己等の飲用に供するために製造した場合にも無免許酒類製造罪は成立するとされた事例
2 酒税法7条1項、54条1項の規定は憲法13条、29条1項、31条に違反しないとされた事例
1 憲法22条は在留外国人の一時的海外旅行の自由を保障するか(消極)
2 在留外国人が一時的海外旅行をするためにした再入国許可申請につき、同人が外国人登録法に基づく指紋押捺を拒否していることを理由として法務大臣がした不許可処分が適法とされた事例
妊婦の帝王切開手術後肺塞栓症による死亡事故につき、同手術の適応等が認められるとして、原判決を覆し請求が棄却された事例