動産売買の先取特権者が物上代位権を保全するため債務者に対し転売代金債権の取立て、処分の禁止を命ずる仮処分を求めることの許否(消極)
1 京都市古都保存協力税条例が違憲または違法であることを前提として、
(イ)その無効確認、
(ロ)その施行の差止め、
(ハ)右税を新設してはならない義務を負うことの確認、
(ニ)旧条例に基づく旧税と同種の税に関し自治大臣に対する許可の申請、条例の施行などその新設にかかる一切の行為の差止め、
(ホ)旧税と同種の税を新設してはならない義務を負うことの確認を求める訴えは、抗告訴訟の類型に属するとされた事例
2 無名抗告訴訟については行政事件訴訟法38条1項が適用されるとされた事例
3 本件条例が、別表により課税対象の源泉である文化財の所在場所を特定表示していても、これをもって右条例が特定社寺等の権利義務、法的利益に直接影響を及ぼす処分には当たらないとされた事例
4 特別微収義務者指定処分の取消訴訟が許される場合には、中間的訴訟である条例の無効確認訴訟は訴訟利益がないとされた事例
1 水産業協同組合法45条の準用する民法54条にいう「善意」の意義
2 漁業協同組合の理事の行為と民法110条の類推適用
専用の牽引車と被牽引車が連結走行中、被牽引車に積載していた鉄骨が飛んで先行車の運転手を負傷させた事故について、被牽引車の「運行によって」発生したものとはいえないとして、被牽引車の自賠責保険金の支払請求を認めなかった事例
1 県知事の不作為の違法を確認する確定判決は基準日以外の時点における知事の不作為の違法について既判力を有しない
2 水俣病認定業務の遅延が県知事の過失による違法な不作為に当たるとして、国および県に対し、慰謝料等の支払いを命じた事例
3 患者の受診拒否等が水俣病認定業務の遅延の一原因であるとして、慰謝料につき2分の1の過失相殺をした事例
輸出貿易業を営む株式会社の代表取締役が、生活の本拠たる住所を日本国内に有し、所得税法2条1項3号にいう居住者に該当すると認定された事例
昭和46年10月出生の未熟児の失明につき、担当医師の酸素管理に過失があったとして医療機関の使用者責任が認められた事例
いわゆる「エホバの証人」を信仰し、その信仰に従って手術に伴う輸血を拒否する成人の債務者に対し、その両親が債権者となり「債務者にかわり病院に対し右手術及び輸血等の医療行為を委任することができる」旨の仮処分申請が却下された事例
1 地方自治法242条2項但書の「正当な理由」がないとした事例
2 適法な住民監査請求は住民訴訟の訴訟要件であるとした事例
同一日時場所において覚せい剤の一部を営利目的で、残りを非営利目的でそれぞれ所持した場合の罪数につき
(1)包括して営利目的による所持の一罪とされた事例
(2)営利目的による所持罪と非営利目的による所持罪の観念的競合とされた事例
混合難聴者に対する中耳鼓膜形成手術後の聴力喪失の結果につき、医師による右療法選択に過失があったとしてその賠償責任を肯定した事例
1 実在の他人名義の普通預金の預金者が出捐者であるとされた事例
2 普通預金の名義人に払い戻された預金について、信用金庫と名義人との両者に不当利得が成立するとされた事例
被相続人亡父の妻(母)と子らを共同相続人として申し立てられた遺産分割事件の抗告審継続中に妻(母)が死亡したときは、亡父と亡母双方の遺産を対象として分割審判をすべきである
パチンコ店の経営者の暴力的懲戒に反発して暴れた従業員を制止しようとした他の従業員が鉄棒で殴られて負傷した事故について、右経営者の安全配慮義務違反の責任が認められた事例