精神薄弱児施設の園児殺害の事実で起訴された被告人(同施設の保母)に対し、被害者連れ出しの状況に関する他の園児らの目撃証言の信用性に疑いがあり、被告人の捜査段階における自白の信用性にも疑問があるとして、無罪が言い渡された事例
1 被引用著作物たる創作絵画が、引用著作物たる言語著作物に対し、付従的性質のものであるに止まらず、それ自体鑑賞性のある図版として独立性を有するので、右創作絵画の複製物の掲載が著作権法32条1項にいう「引用」には当たらないとされた事例
2 著作権者が現に著作物を複製頒布していない場合における著作物権侵害に基づく損害賠償額が、著作権法114条2項による通常使用料相当額を基準として算定された事例
1 被告作成名義で、その氏名が自署であり、名下の印影が被告の自由意思に基づき被告の印章によって顕出されたことについて争いのない文書が署名押印を騙し取られて偽造されたものであると認められた事例
2 信販会社が買主に代って商品代金を売主に支払ういわゆる立替払契約が成立していないと認められた事例
他人の土地上に建築した建物を地主に贈与したうえ、右建物を賃借した者が、地主に対し右建物の所有権移転登記手続を履行せず、虚偽の地主名義の所有権保存登記手続などをしたときは、地主は、右贈与契約と賃貸借契約を解除することができるとされた事例
脳腫瘍摘出手術中に発生した空気塞栓に起因する急性心不全死の結果につき、診療関与医に電気凝固による止血不試行等の過失があるが、これと患者死亡との間に相当因果関係がないとして、請求が棄却された事例
1 刑法117条の2の業務の意義
2 人の生命・身体の危険を防止することを義務内容とする業務と刑法211条の業務
3 易燃物の管理責任者につき業務上失火罪及び業務上過失致死罪が成立するとされた事例
1 預金残高2億円、年間所得5億円の営業実績のある優良企業に対する債権仮差押えの必要性が認められた事例
2 債権仮差押申請の際、虚偽の報告書を疎明資料として提出しても、そのことを理由に右申請を却下することはできないとされた事例
フィリピン女性4名を売春婦として紹介したこと等を内容とする職業安定法違反、売春防止法違反につき、かなりの規模を持つ国際的売春婦供給事業の一環であることを認めながら、詳細な理由を付して、執行猶予付きの原判決を維持した事例
市の局長、室長が森林法に違反する工事であることを知りながら、あえて違法な工事をさせて市に損害を与えた場合に、市において従前に同様の違法工事をした例があること。従前の工事や本件の工事について監督官庁から注意を受けていないことは、局長、室長の市に対する損害賠償責任を免れさせる理由とはならないとした事例
1 法定申告期限内に確定申告をせず、期限後に譲渡所得の基礎となった契約の合意解除を主張する納税者は申告のほかに別途、更正の請求をすることを要する
2 譲渡契約の合意解除が「やむを得ない事情」によるものと認めなかった事例
1 意匠権侵害に基づく損害賠償請求権不存在確認の訴えの利益は、意匠権者が口頭弁論期日において同請求権の一切を放棄する旨の陳述をなしたことなどにより消滅したとして、右訴えを却下した事例
2 不正競争防止法1条1項6号にいう「虚偽ノ事実ヲ陳述シ又ハ之ヲ流布」した事実が認められないとして、右事実の存在を理由とする損害賠償請求を棄却した事例
1 引用例とされたオーストラリア特許明細書原本の複製マイクロフィルムが、本願出願前に同国内において頒布された刊行物に当るとした事例
2 特許出願人に対し、引用マイクロフィルム自体の閲覧が許されなかったとしても、拒絶理由通知にこれと同一内容の特許公報が示されている以上、補正書、意見書提出の機会が奪われたことにはならず、手続上の瑕疵は存しないとした事例
1 福岡県青少年保護育成条例10条1項、16条1項の規定と憲法31条
2 福岡県青少年保護育成条例10条1項の規定にいう「淫行」の意義