建物所有を目的とする土地の賃貸借において、借地人が地上建物に抵当権を設定したときは、賃貸人は催告を要せず土地賃貸借契約を解除できる旨の特約は、借地法11条の趣旨により無効であるとされた事例
自動車による業務上過失傷害事件において、訴因と異なる被害車両の位置および過失を認定するにつき、訴因変更手続を要するとされた事例
1 民執法193条1項所定の担保権の存在を証する文書に該らないとされた事例
2 請負人に建築材料として鉄骨を売却した者と請負代金に対する動産先取特権に基づく物上代位の適否(消極)
呼吸機能の低下している女性が急性球麻痺により死亡するに至った場合において、診察医につき同女の症状観察等を怠った過失があるとしてその責任を肯定したが、右麻痺の予後不良を考慮し損害額を一部減額した事例
1 道路法に基づく供用開始の告示がされておらず事実上も一般交通の用に供されていない道路予定地は、国賠法2条1項の「公の営造物」に当たらず、民法717条の「土地の工作物」に当たるとされた事例
2 子供が右道路予定地内に何者かによって運び込まれ放置されていたドラム缶の近くで焚火をしていたところ、火がドラム缶の中に残存していた軽油に引火したため爆発を起こし、近くにいた幼児がドラム缶から吹き出した炎に直撃されて全身火傷の重傷を負った事案につき、右道路予定地は事故当時格別危険な状態になく、また何者かがドラム缶を道路予定地内に運び込みその近くで子供らが焚火をして遊ぶことは通常予測できないことであるとして、工作物の管理の暇庇を否定した事例
肩胛娩出術施行の際に生じた右後在上腕神経叢麻痺および左上腕骨骨折の結果につき、診療医のファイト・スメリー法の選択、娩出遂行上の措置に相当性があるとして請求が棄却された事例
店舗の賃借人が賃借建物の側面に自動点滅式の看板を設置したことが「付属設備の新設」に当たるとして、特約による賃貸借契約の解除が認められた事例
1 周知の埋蔵文化財包蔵地に土木工事の目的で発掘を行う者に対し地方公共団体が行政指導として工事の停止を求めたことが違法でないとされた事例
2 周知の埋蔵文化財包蔵地に土木工事を行う者が発掘調査費用を負担したことについて地方公共団体の行政指導に違法がないとされた事例
住民票の写しを請求した第三者の氏名と交付請求書の開示請求に対する区長の拒否行為は、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたらないとされた事例
タクシー運転手が2度にわたって会社の無線配車指示を拒否し、その際、暴言を吐く等した事を理由としてされた諭旨解雇が、解雇権の濫用に当たるとされた事例
不貞行為のある夫から妻に対し離婚を条件として贈与した金銭につき、妻が離婚に応じないとして右金員の返還を求めた請求を、不法原因給付にあたるとして棄却した事例
1 引用登録商標とは称呼、観念を共通にするものの、本願商標は出願人のものとして周知・著名であり取引の実情において商品の出所につき混同を生ずるおそれはないから、右両商標は類似していないものであると判断し、右類似を前提として本願商標は商標登録を受けることができないとした審決を取り消した事例
2 商標の類否の判断は、指定商品の取引の実情において、取引者または需要者の間に商品の出所につき混同を惹き起こすいそれがあるかどうかによって決すべきであるとした事例
1 歌謡ショーにゲスト出演中セリに転落受傷したタレントの事故につきショーが上演された会館を運営しその職員が舞台装置を操作していた地方公共団体、ショーの主役である歌手およびそのプロダクションの各不法行為とショーを企画構成したプロモーターの債務不履行(出演契約に附随する安全配慮義務)とが各行為の関連性から不真正連帯責任となるとされた事例
2 後遺障害等級1級に該当する後遺症が残存したタレントにつき事故後の収入等を基礎として本人の努力の結果を除いても15パーセントの稼働能力が残されているとされた事例
医師の将来の診療報酬債権については、差押命令発令の時点から将来の1年分に限り、差押えの対象とすることができるとされた事例
ショッピングローンにおける売買契約に生じた事由は、立替払契約になんらかの影響を及ぼしたり、その解除原因になると解することができないとされた事例