《解 説》
(事案の経過)
一、本件は、一審では、原告(控訴人)(リース会社)は、昭和五六・一一頃日東工営株式会社(以下A社という)との間に、事務什器についてファイナンス・リース契約を結び、五六・一二・一、リース物件をA社に引き渡した。A社は同五八・八会社更正手続の申立てをし、保全管理人...
夫から妻に対し離婚に伴う財産分与として不動産の譲渡を約した調停条項につき、夫に譲渡所得税負担の認識がなかったとする錯誤による無効の主張が排斥された事例
公営住宅の不正入居者が住宅を住居として使用しないで全戸不在にしている場合、管理者が玄関扉表に通知の貼紙をしても名誉毀損にはあたらないとされた事例
1 法人格否認の法理により個人営業当時の債務について法人成り後の会社にその支払義務を認めた事例
2 訴訟上の和解の解釈が問題とされた事例
非嫡出子の氏の変更申立てにつき、婚姻家族の反対は子の福祉を制約する事情の一要素として考慮するにとどめるべきであるが、子の年齢等に鑑み時期尚早だとして、これを認容しなかった事例
雇傭契約の締結に際し提出した履歴書の賞罰欄に前科を秘匿して記載せず、その他経歴詐称があったことを理由とする普通解雇が権利の濫用にあたり無効とされた事例
労働能力喪失率算定の基礎となる後遺障害の等級に関し、自賠責保険調査事務所が9級該当と査定したのに対し、医学鑑定等を経ることなく、裁判所が情況事実によりこれを11級に該当するとした事例
「株式会社NOAH設計」の取り締役所長は、これと同一性があるとみられる「株式会社ノア設計」の表見支配人に当たらないとされた事例
建売住宅への引越しの際のプロパンガスの引火爆発による住宅全焼、居住者負傷事故につき、建売業者とプロパンガス販売業者の損害賠償責任が認められた事例
被告人の捜査官に対する自白調書の任意性に疑いがあり、贈賄側の公判供述等の信用性にも疑問があるとして、収賄につき、無罪が言い渡された事例
1 貸金業者が業として貸金をなすに際し、借主に交付した書面(借入限度額設定契約書)が貸金業の規制等に関する法律17条の要件を具備する書面には当たらないとして同法43条の適用が否定された事例
2 支払いを遅滞したときは期限の利益を失う旨の約定がある割賦返済約定の金銭消費貸借において、割賦支払いを遅滞した後も、貸主が元金全額と遅延損害金の請求をしたことはなく利息の支払いを請求し、これを受領していた事実から黙示の合意により期限の利益を再度付与したものと認められた事例
1 甲建物とこれに附属する乙建物について合棟を原因としてなされた滅失登記処分が取り消された事例
2 右滅失登記処分の取消しが認められた場合と合棟後の丙建物についてなされた表示登記処分の取消しを求める訴えの利益(消極)
新生児の核黄疸罹患につき、血清ビリルビン値の測定をせず交換輸血の時期を失した過失があるとし、原審の判断を覆し、医療の側の責任が肯定された事例
不動産売買において契約当事者の代理人の権限等の調査をしなかった不動産仲介業者の責任が肯定され、弁護士である立会人の同責任が否定された事例
職務考案について使用者等が有する通常実施権の範囲は、考案に係る物の使用に限られず、その製造、譲渡、貸渡しもしくは貸渡しのための展示に及ぶとした事例