土地の売却の仲介の依頼に際し、契約の解除または不履行により買主から違約金を取得したときにはその10分の5を仲介手数料として支払う旨約した者は、契約解除により買主より違約金を取得した場合には、その違約金返還訴訟を提起されていても、仲介手数料の支払義務を免れないとされた事例
1 労働協約上の「手取の平均賃金(行政官庁により計算される)」の趣旨
2 労働協約に基づく休業補償差額金の請求が認容された事例
1 都市計画法29条の開発許可が抗告訴訟の対象となる行政処分とされた例
2 右開発許可の無効を求める原告適格が否定された例
船舶用エンジンの売買契約において、買主の信用不安を理由とする売主の納品拒否が債務不履行にあたり、かつ、右債務不履行により買主が倒産したと認めて、売主に対し6億円の損害賠償の支払いを命じた事例
競馬場の馬券点検事務に従事する女子従業員の頚肩腕障害について、業務起因性が認められ、主催者側の安全配慮義務違反の損害賠償責任が肯定された事例
父親からの申立てによって、今次戦争による生死不明者である、いわゆる中国残留日本人孤児に対する戦時死亡宣告が取り消された事例
1 刑訴法96条1項4号、2項による保釈取消および保釈保証金没取の裁量権行使にあたり考慮すべき事項
2 刑訴法96条1項4号、2項により保釈を取り消し保釈保証金の一部を没取した原決定のうち、保釈保証金没取の部分が裁量を誤ったものとして取り消された事例
動産売買の先取特権(物上代位権)に基づく転売代金債権に対する差押えに必要な民事執行法193条1項所定の「担保権の存在を証する文書」に当たるとされた事例
抵当権設定登記後に短期賃貸借がなされた場合において抵当権者は目的不動産の賃料について物上代位権を行使できるか(積極)
工事の騒音・振動により家屋の損傷および精神的苦痛を生じた居住者からの工事業者および注文者に対する損害賠償請求のうち財産的損害については工事業者が補修工事をすることにより解決する旨の和解があったとして慰謝料のみが認められた事例
神経症状を呈する老人が診療を経たのち急性肺炎により死亡するに至った事故につき、医師において肺炎の治療に集中し同患者の慢性腎不全を発見できなかったことに過失がないとされた事例
1 水俣病の病像と認定
(その1)メチル水銀中毒の好発局所である神経系に障害が認められない以上、疫学条件が高度であってもメチル水銀中毒によるものとはいえない
2 水俣病の病像と認定
(その2)疫学条件を具備し、ハンターラッセル病状の一つがあるからといって水俣病であるとは断じがたい。しかし、メチル水銀中毒症状としての知覚障害とハンターラッセル症状が組み合わさっている場合は水俣病と事実上推定するのが相当であり、四肢の知覚障害のうち遠位部優位の手袋、足袋様の知覚障害の場合は、疫学条件がきわめて高度であれば、右症状が他の疾患に基づくことの反証がない限り、水俣病と認定できる。右反証の程度は、当該患者のすべての症状がもっぱら他の疾患によるものと疑わしめるに足るものであれば足りる。
3 環境庁が昭和52年に示した「後天性水俣尿の判断基準」は、昭和48年の水俣病被害者の会とチッソとの間の協定書所定の補償金を受給するに適する水俣病患者を選択するための判断基準となっており、広範囲の水俣病患者を網羅的に認定するための要件としてはいささか厳格に失する
1 本願寺(いわゆる東本願寺)の住職の後継者である「法嗣」の地位確認請求の訴えは、確認の訴えの対象となるべき適格を欠き不適法である
2 宗教法人法78条1項に規定する不利益処分は、包括団体に、宗教法人との間の包括関係の廃止を防止する目的を有するか、またはその廃止を企てたことを理由とすることを要件とし、包括団体がかかる意図を有していないときは右不利益処分の禁止に当たらない
眼部の炎症に対するステロイド剤点眼薬投与により両眼緑内障等に罹患したとの事実が認められないとして、開業眼科医に対する賠償請求が棄却された事例
甲が乙の氏名等を冒用したため、起訴状および判決書に被告人として乙の氏名等が表示されたが、現実に審理を受けたのは甲である場合における被告人の特定