1 出願公告後の補正が特許法64条1項に違反し要旨変更と認められる場合、同法42条の適応に当たっては、基準明細票(出願公告された明細書および図面)による特許出願について特許がされたものとしてみなすのが相当であるとした事例
2 基準明細書の特許請求の範囲における「挟着支持」との記載は、実施例の説明および発明の目的に照らし、明らかに「密嵌」を要旨としたものと解されるところ、これを正反対の概念である「遊嵌」と変更する補正は、要旨変更の補正であるとした事例
1 通常実施権者が、実施許諾を受けた登録意匠の登録の無効審判の請求をすることは、特段の事情がない限り、信義則に反するものではないとした事例
2 引用意匠につき刊行物の記載によってその意匠を把握特定するに当たっては、図面のみならず付表等文章による表現も参照できるとした事例
3 本件登録意匠(蛇口接続金具)が刊行物記載の意匠に類似することを理由にその登録を無効とした審決を是認した事例
1 本件登録商標を引用されて商標登録出願について拒絶査定を受け、これに対する不服の審判を請求している者は、本件商標登録の取消を求めるについて法律上正当の利益を有する者に該当するとした事例
2 商標法50条2項ただし書にいう「正当な理由」とは、取消請求に係る指定商品についてその登録商標の使用を妨げる事情で、その不使用をもて当該商標権者の責に帰すことが社会通念上告酷であるような場合をいうとした事例
マンションの居住者で構成される管理組合の副理事長であるXの経営する会社が破産したとの事実、Xは法律上住所不定であるとの事実、Xが管理組合の副理事長となることは適当でないことを窺わせる事実等を摘示した文書をマンションの各居住者に配布した行為について、名誉毀損による不法行為責任がないとされた事例
タバコかマッチの不始末により火災を発生させ隣接のキャバレーなどを全焼させたことにつき、火元責任者に重大な過失がないとされた事例
裁判上の和解により土地を売却処分し、また、仮処分申請にかかる土地を任意に売却譲渡した場合において、右各事件について支払った弁護士報酬が所得税法33条3項にいわゆる「資産の譲渡に要した費用」にあたらないとされた事例
海外の有力実業家と共同して行うインドネシアの大規模林業開発計画を挫折させた日本の総合商社の契約締結上の過失による損害賠償責任が認められた事例
1 町の自治会の総会の席上での行き過ぎた発言について、それぞれ相手方に対する名誉毀損による不法行為が成立するとして、双方に各2万円の損害賠償を命じた事例
2 名誉毀損による損害賠償請求の一部は認容されたが、弁護士費用は右の名誉毀損による不法行為と相当因果関係がないとして否定された事例
1 本件登録商標(「美創」)を引用して商標登録出願を拒絶された者は、本件商標登録取消審判を請求するにつき法律上正当な利益を有する者に当たるとした事例
2 商標権者が指定商品についての登録商標の使用をしていないとして、商標登録を取り消した審決を是認した事例
入院中の女児が夜間窒息死した事故につき、血管内凝固症候群等に起因する脳内出血によるもので、その診断および処置による救命の可能性はなかった等として、損害賠償請求が棄却された事例
銀行買取用輸出申告書とインボイスとが船積商品名の表示、その数量を異にする場合と信用状付輸出手形買取銀行の責任の有無(消極)
墓地へ参拝する人のための花の置場とする土地の貸借につき、使用貸借と認めたうえ、借主の死亡により終了したものとされた事例
都市計画法に定める市街化区域であるとともに宅地造成等規制法に定める宅地造成工事規制区域内においては、崖崩れ防止のための規制は右各法に基づいてなされるべきであって建築基準法は適用されないから、同法19条4項は建築主事の確認の対象とはならないとされた事例
不動産の売買について、自称代理人が本人の委任状、印鑑証明書、登記済権利証を買主に示した場合であっても、買主が不動産取引の経験のある実業家であるなど判示のごとき事情があるときは、民法110条所定の正当の理由はないとして表見代理の成立を認めなかった事例
町議会議員選挙において、「松本頼登」および「松本ライト」と記載された投票は、候補者中に松本貞雄なる者がいる場合においても、候補者舛本頼登の語感、字形との近似性等からして、混記された無効票と解すべきではなく、候補者舛本頼登に対する有効票と解すべきである