預金を担保とする当座貸越債権と右預金債権の相殺について民法478条の類推適用を認め、金融機関に注意義務懈怠の過失はないとして免責が認められた事例
1 死刑の確定裁判を受けた者が刑法11条2項に基づき拘置されている場合における死刑の時効の進行の有無
2 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続したのちに死刑を執行することと憲法36条にいう「残虐な刑罰」
養子に対する推定相続人の廃除請求は、離縁原因としての縁組を継続し難い重大な事由の存否を一応の基準とすべきものとし、申立却下の原審判に審理不尽、理由不備の違法があるとした事例
1 納付すべき相続税額等または課税標準等に変動を来たさない再更正は抗告訴訟の対象となる処分に当たらない
2 遺言者が生前、相続税対策のため仮名または無記名預金を設定していた状態を利用し、受遺者がこれを受遺贈財産から除外して相続税の申告に及んだのは国税通則法第68条1項の「隠ぺい」に当たる
1 貸金業の規制等に関する法律18条2項により受取証書を交付しなかったため、同法43条の適用が否定された事例
2 被告に対する書類の送達を公示送達の方法によってなした事案において同法43条の要件を充足するための事実を請求原因事実として主張した事例
本願考案(サインペン)は引用例記載の技術から極めて容易に考案をすることができるとした審決には、本願考案の要旨の解釈および本願考案の作用効果と引用例記載の技術の対比に関する認定判断を誤った違法があるとして、右審決を取り消した事例
市立学校管理員の時間外および休日勤務が、労働基準法41条3号の「断続的労働」に該当するとして、時間外および休日勤務に対する割増賃金請求が棄却された事例
1 出願公告後の補正が特許法64条1項に違反し要旨変更と認められる場合、同法42条の適応に当たっては、基準明細票(出願公告された明細書および図面)による特許出願について特許がされたものとしてみなすのが相当であるとした事例
2 基準明細書の特許請求の範囲における「挟着支持」との記載は、実施例の説明および発明の目的に照らし、明らかに「密嵌」を要旨としたものと解されるところ、これを正反対の概念である「遊嵌」と変更する補正は、要旨変更の補正であるとした事例
1 通常実施権者が、実施許諾を受けた登録意匠の登録の無効審判の請求をすることは、特段の事情がない限り、信義則に反するものではないとした事例
2 引用意匠につき刊行物の記載によってその意匠を把握特定するに当たっては、図面のみならず付表等文章による表現も参照できるとした事例
3 本件登録意匠(蛇口接続金具)が刊行物記載の意匠に類似することを理由にその登録を無効とした審決を是認した事例
1 本件登録商標を引用されて商標登録出願について拒絶査定を受け、これに対する不服の審判を請求している者は、本件商標登録の取消を求めるについて法律上正当の利益を有する者に該当するとした事例
2 商標法50条2項ただし書にいう「正当な理由」とは、取消請求に係る指定商品についてその登録商標の使用を妨げる事情で、その不使用をもて当該商標権者の責に帰すことが社会通念上告酷であるような場合をいうとした事例
マンションの居住者で構成される管理組合の副理事長であるXの経営する会社が破産したとの事実、Xは法律上住所不定であるとの事実、Xが管理組合の副理事長となることは適当でないことを窺わせる事実等を摘示した文書をマンションの各居住者に配布した行為について、名誉毀損による不法行為責任がないとされた事例
タバコかマッチの不始末により火災を発生させ隣接のキャバレーなどを全焼させたことにつき、火元責任者に重大な過失がないとされた事例
裁判上の和解により土地を売却処分し、また、仮処分申請にかかる土地を任意に売却譲渡した場合において、右各事件について支払った弁護士報酬が所得税法33条3項にいわゆる「資産の譲渡に要した費用」にあたらないとされた事例
海外の有力実業家と共同して行うインドネシアの大規模林業開発計画を挫折させた日本の総合商社の契約締結上の過失による損害賠償責任が認められた事例
1 町の自治会の総会の席上での行き過ぎた発言について、それぞれ相手方に対する名誉毀損による不法行為が成立するとして、双方に各2万円の損害賠償を命じた事例
2 名誉毀損による損害賠償請求の一部は認容されたが、弁護士費用は右の名誉毀損による不法行為と相当因果関係がないとして否定された事例