1 離婚した夫が妻との復縁を求めて、妻に対し暴行脅迫を重ね、その挙句に妻の内縁の夫の母にまで傷害を負わせたため、危険が切迫したものと畏怖した妻が所在を晦ました後、公示送達により審理し言い渡された離婚無効の確定判決につき、民訴法420条1項5号後段の再審事由があるとされた事例
2 再審原告の内縁の夫の母に対する傷害罪につき有罪の裁判が確定した場合に同条2項所定の要件を具備するものと認められた事例
内ゲバ殺人事件について目撃者の犯人特定に関する供述の信用性に疑問があるとして無罪を言い渡した一審判決を破棄し、有罪判決を言い渡した事例
離婚後母の許で監護されている子(7歳)と父との面接交渉を定めた調停条項を取り消し一時的に右面接交渉を禁止した原審判を抗告審が相当として是認した事例
売買により不動産の所有権を取得したが、売買予約を原因とする仮登記しか経由していない乙の甲に対する明渡請求を本登記を条件に認容すべき場合、自己が所有権を取得したとして乙に対し明渡しを求める甲の請求の可否(消極)
被害者に損害金全額を賠償した共同不法行為者の1人は、他の共同不法行為者の使用者に対しては、同人に固有の負担部分のない以上、被用者である右共同不法行為者の負担部分について求償権を行使することができない
追納期間内に特許料・割増特許料の納付がなかった以上、それに関する通知ないし特許権消滅の登録がなくとも、当該特許権は当然に消滅しているので、追納期間を5か月余経過して提出された特許料納付書に対する不受理処分の取消しを求める訴えは訴えの利益を欠くとして却下された事例
原告登録意匠の実施品販売に関する通常実施権者である被告が、過失により、無断で類似意匠実施品を製造したことにより右意匠権を侵害したとして、原告が第三者に製造の実施を許諾している実施料相当額の損害賠償請求を認容した事例
原告登録実用新案の実施品販売に関する通常実施権者である被告が、過失により、無断で考案実施品を製造したことにより右実用新案権を侵害したとして、右販売の実施料である仕入価格の3パーセントを実施料相当額として損害賠償請求を認容した事例
1 過失に基づく商標権侵害につき、差止めとともに侵害者の商品製造販売による荒利益額相当の損害賠償が命じられた事例
2 商標法38条1項の規定による損害額推定の前提となるべき侵害行為による利益とは純利益をいうが、原告側が荒利益額について一応の立証をした以上、純利益額を算出するための減額要素の主張・立証責任は被告側にある
原告登録商標の婦人服・紳士服類についてのワンポイント的または連続図柄模様としての使用が、原告およびそのサブライセンシーの商品表示として周知性を得ていたとし、被告らが右表示と酷似した連続図柄模様を付したブラウスを製作販売した行為が原告のライセンス事業の一環であるかのような誤認混同を生じ、営業上の利益を害するものとして、販売利益相当額および慰藉料ならびに弁護士費用の損害賠償を命じ、公認会計士費用の損害賠償請求および信用回復措置請求は棄却した事例
保証限度額も保証期間も定められていない会社の信用金庫取引上の債務につき連帯保証契約を締結した右会社の取締役が、約2年後に取締役を辞任し、会社を退職したうえした右保証契約の解約申入は有効であるとされた事例