1 地方自治体の財産取得についての議会の議決と民法127条、130条の条件(消極)
2 地方自治体が土地買受けの仮契約を結んで、手付金を支払い、売買土地の一部および近接土地につき起工承諾を受けて橋を架設して供用開始をしたが、右契約につき議会が議決を与えなかった場合に、右手付金返還債務は、右工事承諾土地の原状による返還債務と同時履行の関係にあるとされた事例
交通事故と医療過誤との複合事故について共同不法行為の成立を認め、加害運転者と医師に対し全損害の賠償支払いを命じた事例
公立小学校における同和教育等の行きすぎを是正しようとする団体(いわゆる全解連)と市教育委員会との話合の際に行われたとされる、よく似た状況での2回の有形力行使のうち、一方が肯定され他方が否定された事例
1 市長および収入役の市に対する損害の賠償を求める住民訴訟と地方自治法243条の2所定の手続(長の賠償命令)との関係
2 同法242条2項ただし書の「正当な理由」があるとされた事例
3 市長が職員厚生研修費の名目で市の職員に対して個別に支給した金員が「やみ賞与」にあたり違法であるとされた事例
額面370万円の約束手形について、右手形振出人から右手形所持人に対する融通手形であるとして、右所持人からの手形金請求が認められなかった事例
差押えの効力発生直前に賃借権設定仮登記に基づく賃貸契約をして外装テントを取り付ける等の占有の外形を整えたが、本来の用法に従った使用収益がない者に対し引渡命令を認めた事例
外頚動脈海綿静脈洞痩を内頚の同洞痩と診断して内頚動脈結紮術を施行した医師らについて、当時の医療水準上義務違反はなく、また、右処置につき説明義務違反もないとされた事例
ビデオゲームのソース・プログラムが著作権法上保護される著作物にあたり、そのオブジェクト・プログラムは右プログラムの複製物に該当するとして、これとほとんど同じオブジェクト・プログラムを収納したROMを用いてほとんど同じ視聴覚的効果を表現するビデオゲーム機の製造・販売につき著作権侵害を認め、得べかりし利益および弁護士費用の損害賠償請求を認容した事例(擬制自白)
サラ金債務者について、破産法366条の9所定の免責不許可事由がある場合、その事由が軽微である等諸般の事情を考慮して、裁量により免責を許可した事例
次順位抵当権者(差押権者)が民法392条2項により先順位抵当権者の共同抵当の目的たる他の不動産につき代位する余地がある場合に民事執行法63条の無剰余執行となるか(積極)
出版業界において、出版社が書籍掲載のため撮影した錦絵の写真フィルムを出版後、錦絵の所蔵家に引き渡す慣行が確立していないとした事例
国立大学教授の外国大使館員に対する科学技術情報提供について、警察官の報道機関に対する捜査結果の公表および新聞社の右公表に依拠した記事の掲載が、いずれも右教授の名誉を毀損するものであるとして、慰藉料100万円の支払いと謝罪広告の掲載が命じられた事例