1 自称代理人からの不動産の買主と代理権の存否の調査義務(積極)
2 自称代理人から不動産を買受けた者が代理権の存否の調査を怠ったとしても、過失があるとはいえないとされた事例
ウエットスーツに施した色ラインの配色組合せが被控訴人(原告)製品の商品表示として周知であり、これと類似する色ラインを使用したウエットスーツ商品を製造販売する控訴人(被告)の行為が商品主体混同行為にあたるとする原審判断が維持され、原審の命じた差止め、損害賠償のほか、さらに、控訴人の控訴提起により応訴を余儀なくされた弁護士費用の一部についても損害賠償を命じた事例
筋肉注射により乳幼児が大腿四頭筋拘縮症に罹患したことにつき、筋肉注射をした医師および注射剤を製造販売した製薬会社の損害賠償責任を肯定し、右注射剤の製造を承認した国については、薬事法上および医師法上の義務違背はないとして、賠償責任が否定された事例
実用新案登録を無効にする審決の取消請求を棄却する旨の原判決の基礎となった口頭弁論の終結後に当該実用新案登録請求の範囲の記載の一部を訂正する審決がされた場合と上告理由
1 写真・スクラップ用台紙の上下縁と中央部とに粘着力の差を生ずる作用効果に共通するところがあるとしても、侵害の有無が問題とされている被告実用新案権の権利範囲が、原告イ号物件のように同じ物性をもつものによらず、異なる粘着剤による組合せに限定されているとして、侵害を否定し、差止請求権不存在確認の請求が認容された事例
2 原告製造の右イ号物件が被告の右実用新案権を侵害するとして、その製品の販売中止を求める警告書を原告取引先に配布した被告の行為が、過失に基づく営業中傷行為であるとして、金500万円の損害賠償および謝罪広告による信用回復措置の各請求が認容された事例
他人の著作物の引用につき、引用であることの明示を欠き、また引用者の著作物として引用したことなどにより、著作者の氏名表示権を侵害したものとして、慰藉料の支払いを命じ、信用回復措置請求については、紛争が日刊新聞紙上にとりあげられ、また侵害者の教授昇任決定が取り消されることなどにより、相当の社会的制裁を受けていることを考慮すると必要性が乏しいとし、弁護士費用の請求も相当でないとして、これらを棄却した事例
原告の略称である「Dior」をロゴ状に組み合わせ、これを連続させて図案化した表示が、原告の商品表示および、原告のライセンス事業を含む営業の表示として周知であったとし、これと酷似する表示を使用したブラウスの製作販売により混同を生じたことによる損害として逸失利益、慰藉料、弁護士費用の支払いを命じ、信用回復措置請求を棄却した事例
葉たばこの懸吊器に関する実用新案権の侵害を認め、侵害行為によって得た被告の利益額および侵害行為によって原告が止む得なくされた値引きによる逸失利益として値引き額のうちの相当部分を損害賠償額として認容した事例
ゴルフ場において、競技者が隣接ホールの競技者の打球を受けて負傷した事故につき、ゴルフ場を経営する会社の責任が肯定され、隣接ホールの競技者の責任が否定された事例
財産上の給付を条件とする借地権譲渡許可の裁判確定後1年4か月余に右借地権を譲渡した場合につき、借地法14条ノ12の適用はなく右譲渡許可の裁判は失効しないとされた事例
印鑑変更登録の受理および印鑑証明書の発行手続に市の職員の過失があるが、発行された印鑑証明書を信じて取引した者にも過失があるとして、同人から市への損害賠償請求について5割の過失相殺をしたうえで認容した事例
非業務用資産の譲渡所得につき、当該資産の取得のために借り入れた資金の利子のうち取得費に算入し得るのは、当該資産を現に居住等の用に供していない期間の分に対応する借入金利子の金額に限られるとされた事例
尾骨骨折患者に対する尾骨切除術の施行につき、診療関与医に、診察および説明上の義務違背がないとして、請求が棄却された事例
1 防衛庁長官に対し、自衛隊演習場において実施される射撃訓練の差止めを求める抗告訴訟の適否(消極)
2 防衛施設局長に対し、自衛隊演習場内への立入りを禁止する措置の差止めを求める抗告訴訟の適否(消極)
1 有線放送業者が、有線放送に使用するために市販のレコードから音楽等を磁気テープに録音した録音テープは、昭和53年法律第54号による改正前の物品税法1条別表第2種10号の7に定める「磁気音声再生機用のレコード」に該当するとされた事例
2 有線放送業者が、有線放送に使用するために市販のレコードから音楽等を磁気テープに録音する行為は、物品税法3条2項の「製造」に該当し、また、右録音テープを自ら有線放送に使用し、あるいは傘下の各放送所に搬出して無償でこれを交付し、または、他の業者に有償で販売する行為は、右同条2項の「移出」に該当するとされた事例
1 人身保護法の拘束者たる「施設の管理者」の意義
2 死刑の確定裁判を受けた者につき刑法11条2項の拘置がなされている場合における死刑の時効の進行の有無(消極)
勾留中の被疑者に対する証拠保全としての鑑定のためにする鑑定人らの調査および接見を拒否したことが違法とはいえないとされた事例