交通事故の被害者が頭部外傷の後遺症で異常酩酊となって傷害事件を起こしたと主張する損害賠償事件について、右被害者の酩酊は頭部外傷の後遺症に基因するものとは認められず、かつ、被害者の慢性的な頭重感等が右交通事故と因果関係はないとして請求が棄却された事例
交通事故にあったサラリーマンに現実の収入の減少がない場合において、出社時間を早め、退社時間を遅らせるなどの努力をしていることを考慮し、事故後10年間につき15パーセントの逸失利益を認めた事例
ビルの賃貸借が期間の途中借主の都合で終了した場合、新たな入居者が決定し貸主がその入居者から保証金を受領するまで保証金を据置とする特約があっても、相当期間(明渡後1年)を経過したときには、保証金を返還すべきであるとされた事例
拒絶理由通知を欠いたまま出願を拒絶すべきものとした審決は、重大な手続違背をおかした違法なものであるとして、登録拒絶審決を取り消した事例
「吉向焼」なる出願商標は、焼物の一種である吉向焼を表現するものであって、指定商品中吉向焼の陶磁製品に使用すれば品質表示にあたり、右以外の陶磁製品に使用すれば商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあるとして登録を拒絶した審決が維持された事例
私設市場におけるプラチナ、パラジウムの売買取引が商品取引法8条に違反する先物取引であり、右取引に関する合意の履行を強制することは許されないとして売買仲介業者の顧客に対する清算金請求が棄却された事例
①福井地裁昭60.4.26
②東京地裁八王子支昭60.4.17
③東京地裁昭59.10.22
④大阪地裁昭60.5.24
⑤東京地裁八王子支昭59.12.26
⑥高知地裁昭60.2.21
⑦大阪高裁昭60.4.18
中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合の組合員以外の者に対する貸付は、同組合の目的の範囲外の行為であって無効であるとされた事例
1 行政区画の変更により一時期住民としての資格を失っても判示のような事情があって現に住民としての資格を有する場合には住民訴訟の原告適格があるとされた事例
2 改正規則の制定処分が地方自治法242条の2第1項2号所定の行政処分に当たらないとされた事例
3 主位的請求が不適法で却下を免れない場合には追加的予備的請求は併合要件を欠き不適法であるとされた事例
強制和議認可決定確定後、破産終結決定がなされた場合、否認権を被保全権利とする債権仮差押決定は、取り消されるべきであるとした事例
原告が著作して著作権を取得した建築設計図の無断複製・使用に対し、著作権侵害として設計料相当の損害賠償、著作者人格権の侵害につき20万円の慰藉料、ならびに8万円の弁護士費用の支払いが命じられた事例
ヘルニアの存在、部位確定のため医師によりモルヨドールを用いてミエログラフィーを実施された結果その残存による後遺障害があるとして製薬会社および医療機関に対してなされた賠償請求が排斥された事例
公の営造物である防火水槽へ7歳3ヶ月の男児が転落死亡した事故につき、地方自治体に右水槽の設置管理に瑕疵があったとされた事例
1 宗教法人法21条1項所定の利益相反事項に該当するとして仮代表役員による訴提起が適法とされた事例
2 同法24条但書所定の善意の相手方または第三者には善意であっても重大な過失のある者は含まれないと解し重過失を認めた事例
土木作業中の従業員の死亡事故につき、使用者の安全配慮義務違反の責任が認められたが、従業員にも過失があったとして逸失利益の算定にあたりこれを4割斟酌した事例
追突事故の被害者が、自己の状態を悲観して自殺した場合に、被害者の受傷と自殺との間に相当因果関係を否定することは妥当でないとして、事故による受傷の自殺への寄与度を考慮し、被害者の被った損害のうち死亡による損害について、その4割の賠償を認めた事例
自家用自動車保険普通保険約款の特約条項である他車運転危険担保特約中の免責条項にいう「被保険者が、他の自動車の使用について、正当な権利を有する者の承諾を得ないで、他の自動車を運転しているとき」に生じた事故にあたるとした事例
他の船舶との衝突事故により沈没した船の所有者が右沈没船を除去すべき法令上の義務を履行することによって被った損害の賠償請求権と船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和57年法律第54号による改正前のもの)3条1項2号所定の制限債権