証券会社の歩合外務員が信用金庫の企画部長と共同で信用金庫所有の社債券を横領した不法行為につき証券会社の使用者責任が認められた事例(過失相殺5割)
夫が離婚に際して妻に贈与した未登記建物につき夫に対する債権を有するとして強制競売の申立てをした者が右贈与についての登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者にあたらないとされた事例
併存する企業内労働組合の1つが使用者の提案する残業の条件を拒否していることを理由にその組合員に対して残業を命じていない使用者の行為が労働組合法7条3号の不当労働行為に当たるとされた事例
受任者の利益のためにも締結された委任契約において委任者が解除権自体を放棄したものとは解されないとして、委任者による民法651条に基づく解除を有効とした事例
財物の所有者が殺害されてから、3日ないし8日を経過し、かつその死体が遠隔地に遺棄された後に、殺害場所にあった同人所有の贓物を奪取した場合と強盗致死罪の成否(積極)
山裾での小学校敷地造成工事中、地山の一部崩壊により作業員が圧死した事故につき、注文者たる町は請負人に対し危険回避のため工事方法を限定し或いは工事に条件を付し、その他適宜の措置を講ずべきことを求める注意義務を負うとした事例
1 第三者の過失により電話柱が道路上に倒れ、このことが直接の原因で交通事故が生じた場合であっても、警察に措置依頼をする時間的余裕があったとして電電公社(当時)に設置保存の瑕疵責任ありとした事例
2 右の直接原因者と公社とは対被害者の関係で過失割合に差異があるか(消極)
交通事故の被害者が頭部外傷の後遺症で異常酩酊となって傷害事件を起こしたと主張する損害賠償事件について、右被害者の酩酊は頭部外傷の後遺症に基因するものとは認められず、かつ、被害者の慢性的な頭重感等が右交通事故と因果関係はないとして請求が棄却された事例
交通事故にあったサラリーマンに現実の収入の減少がない場合において、出社時間を早め、退社時間を遅らせるなどの努力をしていることを考慮し、事故後10年間につき15パーセントの逸失利益を認めた事例
ビルの賃貸借が期間の途中借主の都合で終了した場合、新たな入居者が決定し貸主がその入居者から保証金を受領するまで保証金を据置とする特約があっても、相当期間(明渡後1年)を経過したときには、保証金を返還すべきであるとされた事例
拒絶理由通知を欠いたまま出願を拒絶すべきものとした審決は、重大な手続違背をおかした違法なものであるとして、登録拒絶審決を取り消した事例
「吉向焼」なる出願商標は、焼物の一種である吉向焼を表現するものであって、指定商品中吉向焼の陶磁製品に使用すれば品質表示にあたり、右以外の陶磁製品に使用すれば商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあるとして登録を拒絶した審決が維持された事例
私設市場におけるプラチナ、パラジウムの売買取引が商品取引法8条に違反する先物取引であり、右取引に関する合意の履行を強制することは許されないとして売買仲介業者の顧客に対する清算金請求が棄却された事例
①福井地裁昭60.4.26
②東京地裁八王子支昭60.4.17
③東京地裁昭59.10.22
④大阪地裁昭60.5.24
⑤東京地裁八王子支昭59.12.26
⑥高知地裁昭60.2.21
⑦大阪高裁昭60.4.18
中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合の組合員以外の者に対する貸付は、同組合の目的の範囲外の行為であって無効であるとされた事例
1 行政区画の変更により一時期住民としての資格を失っても判示のような事情があって現に住民としての資格を有する場合には住民訴訟の原告適格があるとされた事例
2 改正規則の制定処分が地方自治法242条の2第1項2号所定の行政処分に当たらないとされた事例
3 主位的請求が不適法で却下を免れない場合には追加的予備的請求は併合要件を欠き不適法であるとされた事例
強制和議認可決定確定後、破産終結決定がなされた場合、否認権を被保全権利とする債権仮差押決定は、取り消されるべきであるとした事例