労基法上の賃金に該当する退職金については、使用者が労働者に対して有する債権をもって相殺することは、たとえそれが当該労働者の不法行為に基づくものであっても原則として許されないが、相殺を許さないことが社会通念上著しく不当であると認められる特段の事情がある場合には、右相殺も許されるとされた事例
1 多数の死傷者を出した地下鉄工事中のガス漏出爆発事故につき、工事を請負った建設会社の現場監督員および発注者である大阪市交通局の工事監督員らの過失が認められた事例
2 ガス管に衝撃を与え、本件事故の直接的原因を惹起したとして起訴されたドーザーショベル(小型ブル)の運転手につき、その自白および目撃者の供述が、土砂の掘削状態という客観的状況に合致しないこと等に照らしいずれも信用できないなどの理由により、無罪が言い渡きれた事例
3 ガスパトロールカーの運転手につき、そのエンジン始動に伴う車両火災による火災を本件爆発の着火源と認定するには証明が不十分であると
原告編集の字典「用字苑」の単語の選択、排列、レイアウトに編集著作物としての著作物性が認められ、被告発行の「ど忘れ漢字字典改訂版」の編集がその複製物であってその頒布は原告の有する出版権を侵害するものとして、当該書籍の発売、頒布の禁止、廃棄、原板の廃棄を含む差止請求が認容された事例
新生児が高ビリルビン血症から核黄疸に進行して脳性小児麻痺を後遺とした場合につき、診療関与医にビリルビン値を検査し交換輸血のための転送措置をとる義務の違背があるとして、同医師および病院に対し連帯による高額な賠償責任を肯定した事例
寺院の代表役員の地位不存在確認および代表役員就任登記抹消登記手続請求につき法類関係消滅により当事者適格が否定された事例
米国でのホームステイ旅行中、国立ヨセミテ公園で高校生が不慮の死を遂げた事故についてホームステイ計画主催者の契約上の安全配慮義務不履行責任を否定した事例
1 民訴法312条1号の(引用文書)にあたらないとされた事例((イ)(ロ)(ハ))
2 民訴法312条3号前段の(利益文書)にも後段の(法律関係文書)にもあたらないとされた事例((ロ)(ハ))
連帯借用証書中の保証人欄の印影が当該保証人の印章によって顕出されたものではあるが、それが当該保証人以外の者によって押捺されたものである場合に、詳細に事実を認定して右印影が当該保証人の意思に基づいて顕出されたものと推定することができないとした事例
借家法1条ノ2(正当事由)に基づく解約を理由とする家屋(店舗)明渡訴訟において、当事者の明示の申立額(1450万円)を超える立退料(2500万円)の支払いと引換えに明渡請求を認容することを相当と認めた事例
保証人の事後求償権について代位弁済前に予め作成された公正証書も求償し得る最高限度額が一定額で明示されている場合は債務名義としての効力を有する
大量の架空転入を疑うべき事情があるのに、選挙管理委員会が転入者の住所の調査を一般的に怠ったとして、その選挙人名簿による選挙が無効とされた事例
1 電力会社が袋地所有者のため、隣接囲繞地内において電気引込線架設工事を行うにつき、相隣関係の規定の趣旨を類推し、袋地所有者から囲繞地所有者に対する右工事の妨害禁止請求が認められた事例
2 袋地所有者から囲繞地所有者に対する囲繞地内における排水管設置工事の妨害禁止請求が、下水道法11条、民法209条、210条、220条の類推適用により認められた事例
3 右につき囲繞地所有者の不法行為責任を認めた事例
ゴルフ場の建設を目的として設立されたが資金不足による用地買収不能等により倒産した会社の代表取締役につき入会者に対する商法266条ノ3の損害賠償責任が認められた事例
県営ほ場整備事業施行のための換地処分において、11筆7ブロックの水田が9筆9ブロックの不整形な造成された水田等に換地されたとしても、農地の集団化を図り、かつ、照応の原則にも適合するものであって、適法な換地処分であるとされた事例
小児の麻疹脳炎の発生につき、開業医に説明義務ならびに診療上の義務の違背がいずれも認められないとして、控訴が棄却された事例
原告が商標「チョロQ」を使用して販売しているプラスチック製ぜんまい仕掛の超ミニカーに類似する玩具を販売する被告の行為が、原告の商品との混同を生じ、その営業上の利益を害するとして、不正競争防止法1条1項1号に基づき、その製造・販売の差止請求が認められた事例
日本共産党書記長宅の盗聴について、創価学会副会長の関与を認め、右副会長の遺族らに対し100万円の慰藉料の支払いを命じた事例
小学4年の児童が放課後、他の児童の「いじめ」によって負傷した事故につき、学校設置者および加害児童の親の損害賠償責任を認めた事例
障害補償給付請求権の消滅時効の起算日については、民法724条を類推適用し、その消滅時効は、被災労働者において自己の障害の業務起因性を知ったときから進行を開始するものと解すべきであるとされた事例