1 実体関係が伴わないのに被告に対し出願人名義を変更した届出が無効の行為であるとして、当初の出願名義人である原告が特許を受ける権利を有することの確認請求および出願公告のあった原告の特許を受ける権利につき被告が業として実施する権利がないことの確認請求が認容された事例
2 特許を受ける権利について出願人名義を回復するためには、新名義人として特許庁長官に届け出れば足り、旧名義人の協力を要しないので、出願人の名義変更の抹消手続を求める訴えは利益がないとして却下された事例
裁判所の構外の歩道上においてけん騒で不穏当な言動によって裁判所の職務の執行を妨害した者に対する監置の制裁が違憲違法ではないとされた事例
「交通労働災害対策協議会」の事務局長として交通労災被害者の労災給付および自賠責保険請求手続を代行して報酬の支払いを受けることは、弁護士法72条に違反する事項を目的とするものとして民法90条に照らし無効であるとし、報酬70万円の返還請求が認められた事例
印鑑セットの取引がネズミ講として無効とされた場合であっても、それを理由として信販会社の立替金請求を拒むことはできないとされた事例
従業員の財産形成等を目的として結成された持株会の会員に対する会社の奨励金の支出が商法294条ノ2の利益供与にあたらないとされた事例
太平洋戦争末期の沖縄戦における上官の指揮と行動を批判した「沖縄戦記」の記事につき名誉毀損の成立を認め、著者に対し35万円の慰藉料の支払いを命じた事例
過激派の内ゲバによる殺人、同未遂等につき、目撃者の犯人特定に関する供述の信用性に疑問がある理由を詳細に説示して、無罪の第一審判決を維持した事例
精神科病院に入院中の患者が、同病院の他患者から右眼瞼を殴打され失明に近い状態となった事故につき、開放化方式に依拠した被告の診療について義務違背がないとされた事例
昭和47年11月出生の極小未熟児が、同網膜症により両眼を失明した事故につき、当時の医療水準に照らし診療上の義務ならびに説明義務の違背はないとし、請求が排斥された事例
1 意識不明者を病院に搬送して受診させた緊急事務管理者の医師に対する事情説明不充分を医療過誤の被害者側の過失として3割の相殺をした事例
2 いわゆる植物人間の介護費用につき、平均余命の3分の1を生存可能期間と認めて損害額を算定した事例
音楽著作物管理団体(JASRAC)から提訴された音楽テープダビング店に対する音楽テープ、カセットテープの複製行為および店頭で来客に複製させる行為の差止請求および右行為によって生じた著作権侵害に基づく損害賠償請求が認容された事例
1 警察官が取調べ中の少年の被疑者に対し、被害者である暴力団員を面接させたことが、脅迫にあたり違法な取調べ方法とされた事例
2 検察官による少年の被疑事件の家裁送致と権利侵害の有無(消極)
火薬類取締法17条1項により、適法に譲り受けたとみられる火薬類を違法目的で所持するに至った場合と同法21条3号に定める法定の除外事由の存否(積極)
区立小学校の改築期間中の仮校舎を他の区立小学校の施設内に設置する処分は抗告訴訟の対象としての行政処分にあたらないとして右処分の執行停止の申立てが却下された事例