1 訴えを提起した者がその理由のないことを知り、あるいは容易に知り得た場合には、右訴えの提起が不法行為を構成するとされた事例
2 ジャーナリストに虚偽の情報を提供し、それが新聞報道されるに至り、他人の名誉を毀損した者の不法行為責任が肯定されたが、謝罪広告掲載の請求は棄却された事例
シャネルの商標権侵害に伴う損害賠償請求につき、侵害者の得た利益に相当する損害のほかに、信用毀損による損害の賠償を認めた事例
共同相続人の1人が他の共同相続人の一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人みずからの相続の放棄と同時にされたときは利益相反行為にあたらない
設立中の会社の発起人が代表取締役として粉砕機等を買い受けた場合において、売主が、右会社が設立中であることを知っていたときは、右発起人に対し売買代金債務の履行を請求することができないとされた事例
水田再編事業実施要綱に基づいて転換水田の団地化を促進するために、集落などが団地化促進事業の推進会議を実施すれば交付することになっている補助金を交付したことが裁量権の範囲内の処分であって、適法であるとされた事例
租税特別措置法(昭和57年法律第8号改正前のもの)31条の3第1項所定の特定市街化区域農地等とは現に耕作されているか、現に耕作されていない状態にあっても耕作するつもりになれば、いつでも簡単に耕作しうる田若しくは畑であることを要し、判示のような状況にある土地は農地とはいえないとされた事例
ホテルの増築について、建築確認申請・ホテル営業許可等申請の手続前にした市長のホテル等建築指導要綱に基づく同意は、行政処分ではないとされた事例
レッカー車の運転手が、鉄骨の積み降ろし作業中、同僚のトラック運転手とケンカして負傷した場合において、右負傷が業務上の事由に基づく災害と認められた事例
開業医のステロイド剤注射による骨関節結核集団罹患の結果につき、県知事および保健所長に結核予防行政ないし医療行政上の作為義務の成立が認められないとして、国および県の国賠法上の責任が各否定された事例
1 判例理論と法律不遡及の原則 2 炭鉱じん肺につき昭和14年以降安全配慮義務を肯定した事例 3 炭鉱じん肺に関する昭和14年以降の安全配慮義務不履行につき有責性を肯定した事例 4 安全配慮義務不履行とじん肺罹患との間に因果関係を肯定した事例 5 安全配慮義務不履行による損害賠償請求権の消滅時効の起算点 6 消滅時効の援用権の濫用 7 包括一律請求の解釈 8 債務不履行と、債務不履行または不法行為との競合
地方公共団体の組合が神社参道の補修工事に公金を支出したことが憲法89条、地方自治法138条の2に違反するとされた事例
老朽化した建物を建て替えるために旧建物を取り壊したところ、既存通路の幅員が建築基準法43条1項の規制に適合しないとの理由で新建物の建築確認が得られない場合であっても、民法210条の囲繞地通行権は成立しないとした事例