所有権が将来移転する場合に備えて所有者から所有権移転登記申請書類を預っていた買主が、未だ所有権移転がないのにその書類を冒用して所有権移転登記をした等の事情がある場合に、所有者は右登記を信頼して取引に入った者に対して右登記が無効であることを対抗できないとした事例
1 私人としての生活行動が「公共の利害に関する事実」に該るとされた事例
2 週刊誌に掲載された事実が真実であると信ずるにつき相当な理由があるとされた事例
原告の図柄模様が、その製造・販売する鞄類・袋物等の商品表示として周知であり、これと同一表示を同一商品に使用販売した被告会社の行為が商品主体混同行為にあたり、その行為に重過失があったとされ、被告会社およびその代表者に対し、右行為によって得た純利益額相当の損害賠償の連帯支払いが命じられた事例
女性に夫があることを知りながら肉体関係をもち婚姻関係を破綻させた男性に不法行為責任を認め、500万円の慰藉料の支払いを命じた事例
麻雀屋の営業のみに使用する目的で賃貸された店舗について、賃借人が全面的に改装しゲームセンター営業に転向するなどしたことが背信行為にあたるとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
抵当権の目的たる建物につき所有権者となったYが該建物から建具等を取り外して他に搬出し、外から自由に出入りできる状態に放置した場合において、その直後このことを知った抵当権者Xは、近隣の子供が侵入して内部を破損したことによる損害の約8割についてYの責任として追及することができるとされた事例
会社更生手続開始の申立てに伴い保全管財人が選任されている場合であっても、右会社のした売買契約の合意解約は、特段の事情のない限り有効であるとされた事例
鮮魚小売商が自己に対する確定判決の強制執行を免れるため、休眠会社を利用し、同一従業員、同一営業設備を使用し同種事業を営んでいるとして、法人格否認の法理により会社に対し、右確定判決の認める個人債務の支払いを求めることができるとされた事例
交通事故の損害賠償請求事件の二審における鑑定人・証人が虚偽の鑑定・証言をしたことにより二審裁判所の判断を誤らせたとし、一審判決認容額と二審判決認容額の差額を損害とする賠償請求が、主張自体失当として棄却された事例
債権者代位による売買代金請求訴訟の係属中に、その売買当事者間の和解により売買の目的物件につき原状が回復された場合と右代位訴訟の帰すう
融雪期のスキー場のクレパスにスキーヤーが転落して負傷した事故について、スキー場のリフト(観光兼用)にスキーヤーを乗せたスキー場管理者の過失を認め、過失相殺のうえ損害賠償請求を認容した事例
法人税、所得税合計で約9億5、500万円を逋脱した事案について、刑法18条の解釈適用を誤って違法な労役場留置を言い渡した一審判決を職権で破棄したうえ、あらためて実刑判決を言い渡した事例
不動産競売手続中に債務者が死亡し、その相続人が限定承認をした場合、執行裁判所は売却代金を有名義の配当要求債権者に配当せず限定承認者に交付すべきか(消極)