名目上の取締役につき、その任務懈怠行為と第三者の被った損害(債権の回収不能)との間に因果関係が認められないとして、商法266条ノ3の責任を否定した事例
私鉄の駅構内で2社のタクシーが競合して営業している場合において、私鉄に対し2社のタクシーが交互に乗車稼働する機会を与えるよう命ずるとともに、1会社に対し営業活動妨害の禁止を命じた事例
1 不動産売買の仲介を依頼した買主が、仲介報酬の支払いを免れる目的で、売主と交渉中の仲介者をことさらに排除して、直接売主との間で売買契約を締結した場合において、仲介行為の内容、契約成立に至る経緯など諸般の事情を考慮し、報酬額を売買代金額の2パーセントとした事例
2 不動産売買の仲介を依頼した買主が、仲介報酬の支払いを免れる目的で、売主と交渉中の仲介者をことさらに排除して、直接売主との間で売買契約を締結した場合において、売主が直接取引きに応じたことが仲介者に対する不法行為を構成するものではないとされた事例
不動産の真実の権利者が不実登記の作出に関与しないとして、これを信頼して取引をした第三者の民法94条2項、110条の類推適用の主張が排斥された事例
土地を土地所有者以外の者(無権原者)から建物所有の目的で賃借し、賃料を支払い土地の占有を継続した者と土地所有者に対する賃借権の時効取得の成否(積極)
12歳3か月の小学生が友達と探偵ごっこに夢中になり自転車を疾走させていて歩行者に背後から衝突した事故について、加害者の責任能力を否定し両親の監督責任を認めた事例
所有権が将来移転する場合に備えて所有者から所有権移転登記申請書類を預っていた買主が、未だ所有権移転がないのにその書類を冒用して所有権移転登記をした等の事情がある場合に、所有者は右登記を信頼して取引に入った者に対して右登記が無効であることを対抗できないとした事例
1 私人としての生活行動が「公共の利害に関する事実」に該るとされた事例
2 週刊誌に掲載された事実が真実であると信ずるにつき相当な理由があるとされた事例
原告の図柄模様が、その製造・販売する鞄類・袋物等の商品表示として周知であり、これと同一表示を同一商品に使用販売した被告会社の行為が商品主体混同行為にあたり、その行為に重過失があったとされ、被告会社およびその代表者に対し、右行為によって得た純利益額相当の損害賠償の連帯支払いが命じられた事例
女性に夫があることを知りながら肉体関係をもち婚姻関係を破綻させた男性に不法行為責任を認め、500万円の慰藉料の支払いを命じた事例
麻雀屋の営業のみに使用する目的で賃貸された店舗について、賃借人が全面的に改装しゲームセンター営業に転向するなどしたことが背信行為にあたるとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
抵当権の目的たる建物につき所有権者となったYが該建物から建具等を取り外して他に搬出し、外から自由に出入りできる状態に放置した場合において、その直後このことを知った抵当権者Xは、近隣の子供が侵入して内部を破損したことによる損害の約8割についてYの責任として追及することができるとされた事例
会社更生手続開始の申立てに伴い保全管財人が選任されている場合であっても、右会社のした売買契約の合意解約は、特段の事情のない限り有効であるとされた事例