1 類似商標の使用による商標権侵害につき、差止請求のほか、(イ)権利者が登録商標を使用していない商品の製造・販売に対しては、商標法38条2項に基づき、消費者の選択に果す標章の寄与度を考慮して売上高の2%の使用料相当額の、(ロ)権利者が登録商標を使用している商品の製造・販売に対しては商標法38条1項に基づき、販売利益相当額の、各損害賠償請求が認容された事例 2 商標権侵害による損害賠償認定額が少額の場合には、商標法38条3項後段による賠償額の参酌による減額の余地はない
特許権に基づく差止仮処分申請について、権利者である債権者は当該発明を実施していないから、債務者の行為によって蒙る損害は実施料相当の金員に限られ、債務者の賠償能力に不安がないのに対し、差止めにより債務者の企業活動に重大な支障が予想されることを比較すれば、保全の必要性に欠けるとされた事例
ボーナス闘争中、就業時間外に、ライバル会社の妥結額を間違えてビラに記入して配布したため、会社に業務上、営業上支障が生じたとして、それを理由とする従業員に対する出勤停止処分は社会通念上、合理性を欠くとはいえないが、右事由を理由とする就業規則による通常解雇は不適法であるとされた事例
借地人が焼鳥屋の営業および住居として使用している建物の敷地の賃貸借について、賃貸人がした使用継続に対する異議は、立退料として1700万円を提供した場合に、正当事由があるとされた事例
1 郵便局の臨時雇の雇用関係は、公法上の関係であるから、雇用が反復し長期にわたる等の事情があっても、任用行為がないかぎりその地位は保護されない
2 郵便局の臨時雇に対する取扱いに人事管理上の過失があったとして、慰藉料等の賠償が認められた事例
株式会社の係長は商法43条1項所定の手代に該当し、その担当職務については裁判外の権限を有することになるから、右係長の一切の代理権を制限するというような主張は許されないとされた事例
新築されたビルに隣接する家屋の所有者がいわゆるビル風による被害発生を予防するための工事に要した費用の出捐と民法717条の損害発生の有無
1 現場写真の証拠能力
2 複数の集団による暴行脅迫と騒乱罪における共同意思
3 騒擾罪にいわゆる「一地方」における公共の平和静謐に対する侵害の有無の判断基準
1 公判調書に添付された国税査察官作成の調査報告書の証拠能力
2 「国税局の調査結果」という立証趣旨のもとに同意された国税査察官作成の調査報告書により犯則科目の数額を認定することができるとされた事例
専用実施権者に対する類似意匠使用による意匠権侵害につき、差止請求と当該専用実施権設定に基く実施料相当額と弁護士費用の損害賠償請求が認容された事例
都市計画法上の開発行為の施行区域内に国有地が存する場合において、右土地の管理者である県知事が同法33条1項14号に基づいてした開発行為に対する同意につき、周辺地域に居住する住民は、右同意の無効確認を求める原告適格を有しないとした事例
更新期の錯誤によりその後7年6か月経過後になした更新拒絶の意思表示が「遅滞なく」なされたものとはいえないとされた事例
枇杷葉温圧療法としての施灸を継続した結果、関節痛が増悪し四肢関節拘縮等の障害を後遺とするに至ったとする主張につき、右は民間家庭療法であって治療行為に該当せず、これにつき療法用具の使用を指示しているにとどまる等として、債務不履行および不法行為を理由とする賠償請求が各棄却された事例
虫垂切除手術の際の緑膿菌による髄内感染患者の転医を受けた病院医師につき、抗生物質の髄腔内投与不施行の過失が認められるとして、急性脳脊髄膜炎による死亡の結果に対する大学病院の債務不履行を理由とする賠償責任が肯定された事例
殺人事件に関連のある不審車両としてパトカーに追跡され逃走中の交通違反車両が検問のため停滞していた車両に突込み惹起した事故につき、パトカー乗務の警察官および検問中の警察官について追跡中止義務・検問中止義務を怠った過失はないとされた事例