共同保有者の1人が起こした交通事故において、被害者の内部の負担割合一の共同保有者の1人に対する損害賠償債権が相続のため混同消滅した場合には、負担割合零の他の共同保有者に対する損害賠償債権も消滅するとされた事例
他人名義の登記を長期間に亘り放置していた所有権は善意の第三者に対し登記名義人が所有権を有していなかったことを対抗できないとされた事例
支配人として登記されていても営業の全般に亘る代理権を有しない商業使用人は、支配人として裁判上の代理権を有するものではないとされた事例
1 組合役員選挙の直前に組合推薦の委員長候補者に内定した者に対してなされた配転命令が不当労働行為に該当しないとされた事例
2 組合役員の転勤等に際しあらかじめ組合の意見を聞くこととする労働協約は、組合推薦の委員長候補者に内定したにすぎない者には類推適用されないとした例
3 有効な配転命令の拒否を理由としてなされた懲戒解雇が懲戒権の濫用により無効とされた事例(なお、無効な解雇後の賃金請求権は認められなかった)
2階建個人住宅を主とする住宅地域内における4階建マンションの建築に対し、付近住民からなされた日照妨害等を理由とする3階以上の工事禁止の仮処分申請が認容された事例
被告病院における髄内固定手術の施行と患者の骨髄炎罹患による後遺障害との間に相当因果関係はなく、右罹患は右手術後の他病院における同部切開手術によるものであるとして、原判決を覆し請求を棄却した事例
傷害致死につき誤想防衛の成立を認めて無罪を言い渡した原判決を破棄し、誤想過剰防衛であるとして、有罪を言い渡した事例
国が日本有数の多雨地帯の洪水防止のため長年月をかけ本川に沿い4500メートル余の背割堤を作り、それに沿って同距離の支川を延長し本川と支川の合流点を4500メートル下流の地点に設置したことにより洪水防止の目的を達した場合、満潮時にその支川に塩分が入り、そこの水を取って潅漑用にあてていた原告に数年間稲作の減収があったとしても、原告は干潮時に水をとるなどの工夫をすれば今後の塩害を防止できるであろうし、洪水防止により得られた利益に比べれば受忍限度を超すものといえず、潮水が進入してくることは自然現象であって、国の河川設置管理に瑕疵があるとはいえないとされた事例
退職金に関する労働協約はないが、会社の従業員就業規則および従業員退職金規程によって退職金の算定をなし結局未払退職金の請求が認められなかった事例
昭和47年10月28日出生の極小未熟児が両眼を失明した結果につき、当時光凝固法が未熟児網膜症の治療法として一般的に定着をみていなかった等とし、診療関与医師に眼底検査等のすべてに過失を肯定することができないとして、請求が棄却された事例
キリスト教会員に対する破門処分の違法性が前提問題となっている不法行為の成否をめぐる紛争が裁判所法3条にいう法律上の争訟にあたらないとされた事例
世田谷区道と認められているが長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置されている国有地について時効取得が認められた事例