佐藤登市という氏名の候補者がいる町議会議員選挙において町内で名の知られた佐藤東一なる実在人と同一の氏名の記載された投票が右候補者に対する有効投票と認められた事例
停車車両の運転者が十分後方の安全を確認することなく開扉したため右側を通過しようとした自転車に扉を衝突させ転倒死亡させた事故について、被害者が片手運転をしていた事実は過失相殺の事由とすることはできないが慰藉料算定上考慮するのが相当であるとした事例
被害者は高卒後現在まで就職していて収入を得ており後遺症により金銭的損害を受けているとはいい難いが、長期的にみた場合不利益を受ける可能性があるとして就労可能時以降就労可能期間を通じて労働能力の30パーセントを喪失したものと認め平均収入を基礎として逸失利益を算定した事例
無効審判請求人が無効事由としてあげた公然実施に関する証拠について、当該技術が当然企業秘密に属し、企業がその秘密をいたずらに公開しないことが社会通念であるとして、その証拠証明力を否定した審決は不当であるとして、これを取り消した事例
無効審決取消訴訟係属中に訂正を認める審決が確定しても、訂正された発明に対する、同一引用例を根拠とする容易推考の結論に変りがない限り、審決に違法はないとして、特許無効の審決が維持された事例
審査官が拒絶理由を通知することなく、登録異議申立人が証拠をあげて異議事由としていない実用新案法3条2項(容易推考)を根拠に拒絶査定をしたのは違法であるが、出願人が審判手続においてその違法を主張しなかった以上、責問権の放棄により、審決取消訴訟の段階において、取消事由として主張することは許されない
意匠にかかる物品自体の取引が特定の範囲の業者に限られるものであるから、これらの範囲における需要者の購買・選択を念頭において出願意匠の識別性を判断すべきであるとして、単に引用意匠と類似するとして登録を拒絶した審決を取り消した事例
仮登記担保権者が既に本登記を経ていたため負担した公租公課、並びに、仮登記担保権者が目的土地保全のため支出した不法占拠者排除に要した費用は、債務者が受戻請求に際し提供すべき債権等の額に含まれる
質権者甲が、債権質権に基づいて第三債務者乙から直接保険金を取り立てた場合、保険事故が被保険者丙の故意によってひき起こされたものであって、乙に保険金支払義務がないときは、甲と乙との間に不当利得が成立するとして、乙の甲に対する不当利得返還請求が認容された事例
会社のために手形割引をする権限を付与されていた監査役が、会社の代理人として信用金庫から600万円を借り受ける旨の貸金契約を締結した場合、右金庫において右監査役に代理権があると信ずるにつき重大な過失があったとして、民法110条の表見代理の成立が否定された事例
破産宣告後に破産法人に課された予納法人税、法人府民税、予納事業税、法人市民税、過少申告加算税債権と破産法47条の財団債権(積極)
打刻機による鋼材打刻作業中の作業員が、シリンダーと受板Vブロックの間に手を挟まれて四指挫断創の傷害を受けた事故につき、同僚の右打刻機の操作に誤りがあったと認めることができないとされた事例
海上自衛隊員が苛酷な体育授業および陸上訓練によって胃腸障害に罹患したことを理由とする損害賠償請求が認められなかった事例
夏季一時金の支給対象期間中現実に労務を提供した労働者がその支給日前に懲戒解雇された場合において、右夏季一時金の支払請求権がないとされた事例
つけ売買における中間買主たる商社が中間売主たる商社に虚偽の物品受領書を作成交付し、また、売買物件を保管すべき倉庫業者が中間買主たる商社に虚偽の入荷報告書及び出荷報告書を作成交付した場合に、中間売主たる商社に対する不法行為責任が認められた事例