当座勘定取引契約を解約した銀行が顧客から未使用手形用紙を回収しなかった場合において顧客が第三者に対し右手形用紙を用いて手形を振り出して加えた損害につき銀行が不法行為責任を負わないとされた事例
土地収用裁決に対する審査請求後約3年9か月後になされた棄却裁決が行訴法3条5項の「相当の期間」を超えてなされたものでないとされ、国家賠償責任が否定された事例
債権者たる被告が法定代位権者たる原告の取得する求償権の範囲につき、法定代位権者間に成立した同法501条但書4号ないし5号と異なる特約(原告の負担部分は零)を知らずに代位行使の目的となる抵当権を放棄した場合、原告は、民法504条により被告に対し当該抵当権を全部代位行使できず、全額償還を受けられなくなったとして自己の提供した抵当権の抹消登記手続を請求し得るとした事例
別居中の母(妻)から小学校五年の児童(長女)を1か月前に連れ出した父(夫)に対する右児童引き渡しの人身保護請求が認容された事例
隔日勤務の消防吏員の勤務時間の特殊性が給料においてすでに考慮されているため、第一種勤務差手当(勤務時間の特殊性を手当で考慮するもの)の支給対象とならないとされた事例
韓国民法上有責配偶者からの離婚請求が認められているか否か明らかでないとして法例16条但書を適用し右離婚請求を棄却した事例
拒絶理由通知として、引用例をあげ、特許法29条2項(容易推考)に該当する旨示されていれば、通常は同法1項3号(同一発明)該当とする場合に改めて拒絶理由通知を要しないとする取扱いも許容されるが、同一発明とみられる理解が容易でない特段の事情があるときは、改めて拒絶理由通知を要し、これを欠いた審決は違法であるとされた事例
1 指定商品を紅茶、コーヒー、ココア、コーヒー飲料、ココア飲料とする文字「GEORGIA」(ジョージア)なる商標は、指定商品の産地を普通に表示する標章のみからなるものであるとして、登録拒絶審決が維持された事例 2 商標法3条2項により商標登録を受けることができるのは、特別顕著性の要件を充足する特定の商品のみを指定商品とする場合に限られる 3 商標登録出願の指定商品の一部に登録要件を欠くものがあれば、その商標出願は全体として登録を受けることはできない
小学校1年の女児が、通学路を下校中に豪雨のため増水していた側溝に転落して溺死した事故につき、道路の設置または管理に瑕疵がないとされた事例
鉄筋コンクリート5階建建物の3ないし5階部分の所有者が、同所有部分を右建物の1、2階部分および敷地の所有者に売却交渉中であったところ、右建物の1階部分を賃借して中華料理店を経営している者であって、かつ、前記事情を知っている者の求めに応じて、右建物の3、4階部分を、中華料理店の宴会用座敷として使用させるために、当初期間2か月(その後、1年に延長)、賃料1か月金10万円(その後、12月、1月の両月を除いては、1か月金4万円に変更)で貸与した契約が、一時使用のための賃貸借契約であり、借家法の適用はないとされた事例
航空大学校の訓練機の墜落事故により死亡した学生の遺族が、同乗していた指導教官の過失を理由に国に対してなした国家賠償法1条1項による損害賠償請求が認容された事例
高所から転落して頭部外傷等の傷害を負った児童がその3日後脳死状態となって死亡した事故につき、当初その経過観察をし脳浮腫症状の増強を認めて転送した医師およびこれに対し開頭術を行わなかった医師のいずれにも過失がないとされた事例
佐藤登市という氏名の候補者がいる町議会議員選挙において町内で名の知られた佐藤東一なる実在人と同一の氏名の記載された投票が右候補者に対する有効投票と認められた事例
停車車両の運転者が十分後方の安全を確認することなく開扉したため右側を通過しようとした自転車に扉を衝突させ転倒死亡させた事故について、被害者が片手運転をしていた事実は過失相殺の事由とすることはできないが慰藉料算定上考慮するのが相当であるとした事例