国税犯則取締法による通告処分により反則金が納付されたのち賦課決定に対する不服申立てにより反則事実の一部の不存在が確定した場合であっても、納付された反則金に対する国の不法行為および不当利得が成立しないとされた事例
放火の実行行為者が被告人であるかその指示を受けた第三者であるかのどちらかであるという択一的事実認定が許されないとした事例
1 原・被告双方から破綻を原因として本訴、反訴の離婚請求が提起された場合においてその原因事実が認められるときは、有責性の有無について判断せずに双方の離婚請求を認容すべきである
2 妻の夫に対する金300万円の離婚慰謝料、金640万円の財産分与の各請求が認められた事例
時価2500万円の遺産を時価1293万円ないし1559万円程度であると誤信して遺産分割調停を合意するに至った場合につき、要素の錯誤があるが重大な過失があるとして遺産分割協議の無効確認請求を棄却した事例
いわゆる手形の取立・支払禁止の仮処分がなされ、その債務者とされた者以外の者から支払呈示があった場合、右仮処分の第三債務者とされた支払場所の金融機関が、右仮処分を理由に支払いを拒絶したことが、不法行為に該当し、手形金相当額の損害賠償責任を負うとされた事例
国が営林署の伐木造材等の作業員に自動鋸(チェンソー)、枝刈払い機(ブッシュクリーナー)を使用させ、振動障害を起こさせたが、当時の知見をもってすると振動障害の発生を予見できず、予見しなかったことに、国家公務員災害補償法に基づく、いわゆる労災補償をする以上に非難さるべき違法性はないとみるのが相当とした事例
腰痛を訴える患者に対し手技による療法としてその下肢を胸腹部に急激に曲げる施術をした結果膀胱障害を惹起させたとし、柔道整復師らの賠償責任が肯定された事例
特許・実用新案権の侵害を理由とする差止仮処分に対する特別事情による取消申立についての肯定例・否定例 (肯定例)被保全権利である実用新案権の無効審手続が継続中で引用例によれば容易推考により無効となる可能性が強く、その権利存続期間が1年余に過ぎないこと、当該権利の実施品の売上高が被申立人の総売上高の約1%に過ぎないのに対し、申立人はイ号物件の製造販売のみを業とする小企業であることを考慮すれば、異常損害を生ぜしめるおそれがあり、他方金銭補償が可能であるとして、特別事情による、実用新案権侵害差止仮処分決定を立保証を条件として取り消した事例 (否定例)特許権侵害を理由とする製造・販売の差止仮処分を受けた製品の売上高が申立人の総売上げ高の10%にとどまり異常損害はいえず、これに反して被申立人(仮処分申請の特許権者)の損害について輸出品が多く、販売競争の内容、販路が広範囲かつ継続的にわたることから、その額の把握、立証が著しく困難で、金銭的補償による満足が得られないとして、特別事情による取消申立てが却下された事例
鉄筋3階建の分譲マンションを建築する目的で買い受けた造成宅地の地下にビニール片等の廃棄物が混入していたとしても、杭打工法により予定どおりのマンションを新築して買受目的を達している場合には、右造成宅地に瑕疵があるとはいえないとされた事例
「後遺症の等級はA病院の診断書に依る」と記載された示談契約書が、その後に受診した病院での治療分を含み原告に生じた全損害を対象に成立した示談であると認定した事例
売買に基づく所有権移転登記手続請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分がその後完成した取得時効に基づく所有権移転登記手続請求権について効カを有するとされた事例
市議会委員会において参考人がした市会議員の地位濫用を印象づける趣旨の発言が真実性の証明がないため名誉殺損にあたるとして当該市会議員の参考人に対する慰謝料請求が認容された事例
1 航空会社の客室乗務員(パーサー、スチュワーデス等)について、勤務協定(労働協約)に取決めのない場合、当日の勤務開始時刻繰り上げを命ずる権限が会社にはないとされた事例
2 右勤務開始時刻の繰り上げの業務命令に従わなかったことを理由とする懲戒処分が無効とされた事例
保険契約者が支配領域内で発生したと称する宝石盗難事故につき、事故の発生に疑問があるとして保険金請求権不存在確認請求を認容した事例