抵当権者の民法395条但書に基づく建物短期転貸借の解除請求が認められる場合でも、同建物転借人に対する明渡請求は認められないとした事例
地方自治法242条の2第1項1号に基づく住民訴訟による差止請求権を被保全権利として執行機関または職員に対し差止めの仮処分を求めることの可否(消極)
1 特許法185条は、特許請求の範囲に記載された二以上の発明にかかる特許権につき、同条列挙の各規定の適用については、発明ごとに取り扱う旨規定しているが、制限列挙とみられるから、特許料については、特許権単位で、納付手続、不納の効果も一体不可分のものとして取り扱うべきである 2 特許権の放棄は、明示の意思表示に基くことを要し、その効力発生を登録にかかわらしめているから、発明の数二の特許権について、発明の数一相当の特許料の納付があったからといって、当然に残余の発明の特許権の放棄があったとみなすことはできない 3 4年目以後の特許料の納付がなければ、期間の経過により、当然に特許権は消滅する 4 右の場合には、特許料納付手続に関する不受理処分の取消を求める法律上の利益がなく訴えを却下すべきである
訴え提起後に追加された予備的請求と、当初の請求(主位的請求)とは、その対象たる債権の帰属主体や内容が異なるが、両請求は社会的経済的にみて同一ともいうべき取引関係を基礎とし、その審理のための証拠資料もほぼ共通していることから、請求の基礎の同一性を認め、右予備的請求を訴えの変更として許容すべきものとした事例
分譲マンションの共用部分の空間地にクーラーの屋外機を設置したことが管理組合規約違反の共用部分の変更にあたるとして、その撤去が命じられた事例
欠損金額を減額する更正処分に対して不服申立を経由している場合と当該欠損金の繰戻しによる法人税の還付請求を理由がないとする通知処分に対する不服申立経由の必要
1 深夜、目撃者のない状況下で発生した交通事故重大事犯につき、車両の進行方向が争われ、相反する2つの鑑定結果が提出された事案について、現場に残されたコーナーリング痕、遺留品等の物的証拠に基づき、被告人の運転車両が反対車線に進入して事故を惹起させたものと認定して有罪を言い渡した事例
2 身体に損傷を与えない採血と令状主義の限界
1 選任された取締役・監査役が任期終了、辞任により退任し後任者の選任・登記がなされている場合の右取締役等の選任決議不存在確認の訴えの利益(消極)
2 権限のない者によって招集された株主総会決議に基づく資本減少、株式併合が有効とされた事例
被告らがキュプラ織物ないしその加工布地に使用する「Asoni Banbarq」の標章および鷲のマークが、互に系列会社の関係にある原告らが取り扱う輸出用同種商品を表す表示として周知である「Asahi Bemberg」の商標および鷲印の商標と類似し、あたかもシリーズ商品もしくは姉妹商品として出所の誤認混同を生じ原告らの営業上の利益を害しているとして、不正競争防止法1条1項1号に基く差止請求と売上高の5%にあたる商標実施料相当額の損害賠償請求が認容された事例
いずれも重合開始剤を提供する発明として、引用例には、出願発明が目的とする一般式1のモノメチル体の開示はないが、これを出願当時の市販の原料ネオ酸を使用して実施すれば、必然的に、一般式1のモノメチル体と、一般式2のジメチル体との混合物が得られ、しかも出願発明が一般式2のジメチル体を含む場合をも包含しているので、両者は同一発明といわざるをえないとして、拒絶審決を維持した事例
原告の権利主張の根拠である特許発明の保護範囲につき、意見書、異議答弁書に開陳された原告の主張など査定の経過を考慮すると、特許請求の範囲に記載された方法に意識的に限定したものと認められるとして、均等論適用を却け、特許権侵害を否定した事例
仮に出願公告前の補正が出願当初の明細書および図面に記載した事項の範囲内であるかどうかが問題になる場合であっても、その補正が却下されていない以上、出願公告後の補正については、出願公告時の明細書及び図面のみを基準として、特許法64条の要件の有無を判断すべきである(審決取消)
交通事故による被害者が約7か月後に心筋梗塞で死亡した場合に、事故と死亡との間に相当因果関係を認めたうえで、高血圧症などの被害者の体質的素因を考慮し、事故と因果関係にある損害を割合的に認定した事例
税務職員が租税犯罪の一般予防などの目的のため脱税の事実を新聞記者に公表したとしても、名誉毀損の不法行為は成立しないとされた事例