交通事故の被害者が直ちに損害賠償を受けることができないために給付を受けることになった生活保護法4条3項による扶助について損益相殺することの可否(消極)
不動産競売による売却に係る不動産の占有者の占有権原が売却によって消滅する仮登記担保権であるときは、それが仮登記された賃借権であるとしてもこれによる不動産の占有者は民事執行法83条による引渡命令の相手方となる
「被保険者が法令に定められた運転資格を持たないで、自動車を運転している間に生じた事故」によって生じた損害はてん補しない旨定めた傷害保険普通保険約款の規定は、カタピラ式クローラクレーンのクレーンを無資格で操作した場合にも適用されるか(積極)
弁護士懲戒請求者の異議申出を棄却した日本弁護士連合会の裁決の違法を理由とする右請求者の右連合会及び国に対する損害賠償請求が棄却された事例
クレジット契約により婚礼家具を購入した者は、家具店の倒産により家具の引渡を受けられなくなった場合であっても、クレジット会社に対し売買契約の解除を主張して立替金支払債務の消滅を主張することができないとされた事例
中学校国語科教諭が交通事故により頚髄損傷、左上肢廃失、左下肢不完全麻痺の後遺障害を負い、右症状固定の診断を受けた時から約6年後に退職した事案について、右障害と退職との因果関係を認めたうえ、右症状固定診断時点では右障害が明らかであったとしても退職に至ることを予測することは不可能であったとして、後遺障害に基づく損害のうち、右退職による損害については消滅時効が完成していないとした事例
労働組合から除名された労働者に対し、使用者がユニオン・ショップ協定に基づく労働組合に対する義務の履行として行う解雇は、右除名の決議前に適法に組合から脱退している場合には無効となるとされた事例
職務発明につき、特許を受ける権利を使用者に譲渡し、出顧補償金の支払を受けている従業者は、使用者の従業員就業規則、発明考案取扱規程、同細則によるその余の補償金の支払時期が、日本国での未登録、未実施のため、到来していない以上、その規則等の違法・無効を主張して当該特許を受ける権利及び米国出願による特許権の共有持分権の確認を求めることは許されない
特許権侵害の事実を立証するために、相手方の支配下にある物自体を侵害品と主張して証拠としての開示を求めることができるのは、少なくとも当該目的物が発明の技術的範囲に属する可能性を合理的に予測し得るだけの疎明があった場合に限られ、その疎明がないとして、原告の検証・鑑定の申立が採用されなかった事例
1 第三者が具体的に実施権者の実施行為を妨害するような場合は格別、実用新案権者の承諾なしに当該考案を実施しているだけでは、非独占的通常実施権者に対する権利侵害にはならない(損害賠償請求権否定) 2 通常実施権者が許諾実用新案権者の有する侵害者に対する妨害排除請求権を代位行使することは許されない
被告らの電線保護カバーの製造販売につき、商標権侵害、意匠権侵害、並びに不正競争防止法上の商品主体混同行為の成立を認め、商標権侵害につき販売価格の1パーセントの実施料率相当額、意匠権侵害につき販売価格の3パーセントの実施料率相当額の各損害賠償および差止並びに信用回復措置としての謝罪広告掲載を求める各請求を認容した事例
分娩後の産婦の死亡事故につき、血管内凝固症候群によるショック等が原因であるとし、当時の医療水準上、分娩関与医師らに過失が認められないとして、原審の判断を覆えした事例
都立工専校長が教官に対してした授業時間削減の措置が裁量権の濫用又は逸脱に当たる違法なものということはできないとされた事例
小学4年の児童が放課後校庭に設置されている回旋塔で遊戯中に発生した傷害事故について、相手児童の両親につき民法714条の監督者責任、区につき国家賠償法1条1項の損害賠償責任をいずれも否定した事例
昭和45年12月出生未熟児の同網膜症による両眼失明事件につき、医師の診療並びに説明上の義務違背が認められないとして、原審の判断を維持した事例