宅地部分の賃料と通路部分の通行料は一体として借地法12条にいう「借賃」にあたるとしたうえ、右通行料は右賃料と同一割合とするのが相当であるとされた事例
1 国鉄函館駅に停車中の列車の乗務員室で現金5、000万円を詐取された事故につき、国鉄に過失があるが、重大な過失があるとはいえないとされた事例
2 現金の鉄道運送委託にあたり価額の明告はしたが、要償額の表示をしなかった場合には、運送人の運送品滅失による損害賠償責任額は、鉄道運輸規程の定める限度に限られるとされた事例
自家用自動車保険に加入していた被保険者が橋の上で交通事故を惹起し車外へ脱出した後、川に転落、溺死した場合について、右死亡は傷害の直接の結果であるとして右保険の自損事故条項、搭乗者傷害条項に基づく死亡保険金の支払請求が認められた事例
1 別件逮捕、勾留に理由と必要性がある場合においても実質的に令状主義の潜脱があれば本件の取調べは違法であるとした事例
2 実質的に令状主義を潜脱したか否かの判断基準
実用新案の仮保護の権利に基づく差止仮処分申請について、仮処分の断行により被申請人らの蒙る損害が甚大なもので回復困難とみられるのに対し、仮処分によって確保される申請人の利益は実施料相当額にとどまり、被申請人らの賠償支払能力に問題がなく、両者間に著しい不均衡が存在し、保全の必要性が認められないとして、これを却下した事例
殺人、同未遂事件について、被告人は犯行当時、慢性覚せい剤中毒に急性覚せい剤中毒症状が加わった精神障害のため、心神耗弱状態にあったものと認めて無期懲役を言い渡した事例
クレジットカードの利用に限度額の定めがあり、かつ、契約者の自筆による署名がなければカードを使用できない旨の特約があっても、契約者は、他人がカードを不正に利用して負担した右限度額を超える債務について支払義務を免れることはできないとされた事例
倒産した有限会社の代表取締役および取締役がその職務を行うにつき、悪意または重過失がないとして、有限会社法30条の3の損害賠償責任が否定された事例
学説ないし思想の独自性それ自体は著作権法上の保護の範疇には属さず、しかも被告の著作が原告の著作物と表現形式上同一性、近似性を備えていないとして、著作権侵害等を理由とする損害賠償請求権が否定された事例
同種の契約においてしばしば紛争が生ずる例があっても、当該事件の具体的事実関係から将来紛争が予想されると認定できる場合でなければ、民訴法356条1項の「民事上ノ争」があるとすることはできないとした事例