特定の型式を有する商品の部品(卓上型ポットの蓋と把っ手)をその特定の型式に合わせて製造納入する下請業者が当該部品を作り過ぎたことにより被った損害について、民法536条2項の法意を準用して親企業者にこれを負担させた事例
推定相続人廃除の審判前にその推定相続人の持分を差押えた債権者に対して、相続財産の受遺者は、その遺贈による取得を登記なくして対抗することができるか(積極)
一般には建設機械の所有権留保の有無の調査義務が強く要求される場合のある金融業者が当該機械を担保に供されあるいはこれを買い受けるにつき、その相手方に対し質問するなど以上に調査すべき義務はないとされた事例
銀行が船会社から、抵当物件である砂利採取船の権利証と船舶の検査合格証を取り上げ、第三者に融資してその船舶を別用途に供する計画をたて、代物弁済予約を原因とする所有権請求権仮登記を受け、第三者をしてその船舶を回航させその鍵を取り上げるような事実があるときは、銀行がその船舶を代物弁済としその船舶に付けられた抵当権の被担保債権を消滅させたものとみるのが相当であるとされた事例
国税調査官が、税務調査のため店舗に臨場し、不在を確認する目的で、内扉の止めがねを外して作業場内に入ったことが、国賠法1条1項上、違法な職務の執行にあたるとした事例
会社の従業員制度として、中途入社社員につき、最初は見習社員として採用し、次いで試用社員、さらに社員登用試験を経て、正社員となるとしている場合に、社員登用試験の不合格を理由として、試用期間中の社員として通常解雇することは解雇権の濫用にあたるとされた事例
重症てんかん患児に対し定位脳手術による視床内髄板破壊術を決定・施行した医師らの診療に関する過失及び国病院の責任が否定された事例
債権の一部についての代位弁済により代位者が債権者と根抵当権を準共有するに至ったが、その後右代位者の債権が消滅したときは、右債権者は、右根抵当全部について優先権を行使することができるとされた事例
有限会社の名目的平取締役に対する第三者からの損害賠償請求につき、右取締役に職務懈怠はあるが重大な過失が認められないし、仮に、これが認められても損害と右過失間には相当因果関係が認められないとして棄却した事例
交通事故によって大腿骨骨幹骨折の受傷をしたが、この髄内固定観血手術をなした医師の過失により大腿骨骨長短縮の後遺症を蒙ったとして、医師及びその雇用主たる病院に対してなされた損害賠償請求が棄却された事例
海浜に打ち上げられた旧陸軍の砲弾により人身事故が生じた場合に、警察官においてその回収等の措置を採らなかったことが違法であるとされた事例
1 多目的ダムの洪水調節容量が昭和47年7月時点で4200万立方メートルのままであったことをもって、ダムの設置または管理に瑕疵があったとは認められないとした事例
2 洪水時において多目的ダムの洪水調節容量の2分の1程度まで毎秒900立方メートルの一定量放流とする方式に合理性があったとした事例
3 多目的ダムの管理者が放流により下流水位の急上昇を見る場合にサイレン吹鳴等の周知義務を怠ったとしても、地方自治体による立退指示が適切になされているため、右懈怠と損害との間に相当因果関係がないとした事例