1 人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律3条にいう「排出」及び「事業活動に伴って」の意義
2 工場から塩素ガスが流出し、地域住民ら公衆の身体に危険を生じさせ、傷害を負わせた事故について同工場の製造課長らが過失により右ガスを排出したとして、同法3条2項違反の罪が成立するとされた事例
公示送達により離婚無効確認・婚姻取消等の判決の送達を受けた者が控訴期間を遵守することができなかったのは、離婚無効の追及を免れようとして住所を秘匿していたためで、訴訟も予測された状況の下では、重大な過失があるといわざるをえず、責に帰することのできない事由はないとして控訴の追完を許さなかった事例
1 著作権法上の美術の著作物とは、純粋美術の作品や一品製作でつくられる美術工芸品のような鑑賞の対象となるものに限られるから、実用新案の実施品として作成された索引表と7色の標識体を組合わせた万年暦は美術の著作物に当らないし、また実用新案の実施品である以上、学術上の著作物性も有しない 2 万年カレンダーに関する実用新案権を侵害する差止請求が認容された一事例
テレビゲームの内容を決定し、コンピューターに仕事をさせるための各種の情報及び命令並びにその組合わせ方をアッセンブリ言語を用いて表現した原告のプログラムが学術の範囲に属する著作物であり、被告作成のPC基板中のROMに収納されたプログラムがその複製物にあたるから、原告の著作権を侵害するとして、差止請求、損害賠償請求が認容された事例
1 仮処分申請人は仮処分決定のうち解放金を定めた部分に対し通常抗告をすることができるか(積極)
2 仮処分決定につき解放金の定めをすべき特別の事情と主張責任(消極)
1 株式会社(そごう)の特需部長が、その代理権限がないのに、会社を代理して締結した保証契約につき、表見代理の成立が否定された事例
2 右特需部長の無権代理行為により、取引の相手方が損害を被った場合において、相手方に重過失があるとして、民法715条の責任が否定された事例
道交法違反による反則行為が個人タクシーの免許に付した期限の更新に関する審査基準にいう「道路交通法違反により行政処分又は司法処分を3回以上受けた場合」の行政処分にあたると解された事例
1 交通事故の加害者と被害者の双方を相続した者は、被害者の損害賠償請求権が混同により消滅するので、自賠法16条1項の被害者請求をすることができない
2 混同による損害賠償請求権の消滅は、自賠法15条の「自己が支払をした」場合に当たらない
預託金会員組織のゴルフクラブの会則における入会金の据置期間を5年とする旨の規定が、正規の改正手続により右期間を10年とする旨の規定に改正された後においても、右改正後の規定の効力は、右改正前に加入していた会員に対しては及ばないとされた事例
木工用電動カンナを使用して冷凍鮪を削る作業中の傷害事故につき、使用者に雇用契約上の安全配慮義務を怠った債務不履行責任が肯定された事例
タクシー運転手が交通事故により後遺障害等級表7級4号の状態にありながら現実には転職により従前とほぼ変りない収入を得ていた場合に、右収入が使用者側の理解に支えられ、かつ被害者の努力の結果維持されているものの、使用者側の好意にも限度がある等の事情を認定したうえ、現実の減収割合を逸失利益、算定の基礎とするのは相当でないとした事例
返還時期の定めのない土地使用貸借において契約の目的に従った使用収益をするに足りる期間が経過したものとして民法597条2項但書による解約が認められた事例
1 交付された金銭等が交付者との共謀の趣旨に従い受交付者から第三者に供与された疑いがある場合と交付罪による起訴の可否
2 交付された金銭等が交付者との共謀の趣旨に従い受交付者から第三者に供与された疑いがある場合において交付罪で起訴された者に対する審理方法
農業協同組合がなした組合員外の者に対する債務の保証につき、保証契約締結に至る経緯等の具体的事情を考慮して組合の定款所定の事業の範囲内であるとされた事例