旧南べトナム法に準拠して設立された法人は、日本政府の承認した新政権の旧法令の廃止により、法人格を喪失して当事者能力を欠くに至ったものとされた事例
癒着性脊髄膜炎に対する癒着部脊髄膜剥離手術の選択施行及び説明義務の履践に過誤がないとして、国及び医師らに対する賠償請求が排斥された事例
道路上の集水桝の甲蓋をはずして集水桝に入り、そこから地下に埋設されている排水管の中を通って団地内の貯水池に至り、誤って貯水池に転落水死した小学一年生の男児の死亡事故につき、右集水桝を設置管理する地方公共団体の損害賠償責任が認められた事例
甲から所有権留保特約付割賦により自動車を買い受けた乙から右自動車をさらに買い受けた丙が、その代金を完済して右自動車の引渡を受けたときは、丙はその所有権を取得し直接甲に所有権移転登録手続を請求することができるとされた事例
自賠責調査事務所が、被害者請求手続を行っている者に対し、被保険自動車運転者の有責性及び損害賠償額を認定したうえ、支払通知をなしたとしても、右事務所の認定、通知は法律上自賠責保険会社を拘束するものではないとした事例
法人格は別々であるが両者とも代表者、社員が同じで、税務対策上法人格を使いわけているに過ぎず、実体は同じであるからといって一方の法人が他方の法人が所持している手形債権を以て相手方の請求債権と相殺することは許されない。法人格否認の法理は法人と取引した相手方や法人の不法行為によって損害を受けた者の利益保護のため認められるべきものであって、勝手な税金対策のため法人格を濫用し、法人格の混同を生じさせている者の側から法人格の否認の法理を主張することは許されないとされた事例
土地区画整理中に仮換地を目的とする売買がされたが、清算交付金についてなんらの特約がされなかった場合、その後予定どおり換地がされたときは、清算交付金は売主に帰属するとし、売主から転買人に対する不当利得の返還請求が認められた事例
自称代理人から本人が署名し、その実印を押捺した金銭借用証書と印鑑登録証明書を提示され、且つ自称代理人が本人の実印を所持していたことから、相手方が代理権ありと信ずるにつき正当の理由ありとされた事例
権利能力なき社団の所有不動産の登記方法 数代前、権利能力なき社団の構成員全員の名義で所有権取得登記のなされていた区の所有山林、宅地につき、その子孫に対し時効取得を理由に区代表者個人が区民の受託者としてなした所有権(持分)移転登記請求が認容された事例
1 救済命令取消訴訟提起後における命令書の誤記訂正の可否(積極)
2 審問手続の全期日に使用者委員が出席しなかったことや、審問終結に当たり使用者委員の意見を聴取しなかったことが違法とはならないとされた事例
婚姻関係が全く破綻し、この破綻について、専ら夫に責任があるとか、夫の有責の度合が妻のそれより高いとはいえないとされた事例
仮処分取消により債権者の被る損害が金銭によって償われるものであっても、その損害を確定できないときは、民訴法759条にいう「特別ノ事情」があるとはいえないとされた事例
パリオートクチュールに由来するブランドとして国内で使用されている「ニナ・リッチ」の表示が、原告の営業表示として周知性を備えており、これをいわゆるノーパン喫茶の営業に使用した被告の行為が、原告と契約上、組織上何らかの関係が存するような誤解を生ずるおそれがあるから、不正競争防止法上の営業主体混同行為に当るとされ、当該表示の使用差止と、原告が築きあげた優雅で高級なイメージを損われたことによる損害として100万円の支払いが命じられた事例
原職復帰の緊急命令違反に対する過料額を決定するに当り、対象労働者の員数と賃金相当額の支払いの有無等の個別的事情に特段の悪質・重大性がない限り、1回の不履行通知ごとに10万円以下とするのが相当であるとの裁量基準を示した事例
1 県立高校の野球部員のフリーバッティングの打球が、同一グランドでコートのライン引きをしていたハンドボール部員の頭部に当った事故につき、高校長に事故対策の徹底と指導を怠った過失があるとして、県に国賠法1条の責任を認めた事例
2 男子高校生の外傷性てんかんの後遺症による損害につき、50パーセントの過失相殺をした事例
自動車事故による頭部打撲等により死亡した運転者の損害の算出にあたり、運転者が事故の約1か月前にり病した一酸化炭素中毒の寄与分を斟酌し、過失相殺の類推によって、全損害額の40パーセントを減額した事例
被告がそのセックスショップの営業表示として使用する「ポルノランドディズニー」、「ポルノランドティスニー」、「ティスニー」等の名称およびミッキーマウス、ドナルドダッグ、グーフィ等の図柄が、原告の営業表示として周知な「ディズニー」の名称およびディズニーキャラクターの図柄と同一ないし類似するから、原告が被告の営業に何らかの形で関与しているような誤認混同を生ずるおそれがあり、またその使用が、原告の名誉、信用を損ったとして、使用差止および弁護士費用を含む700万円の損害賠償を命じた事例
売主と登記名義人が異なる農地を買受け、農業委員会の許可を受けることなく占有を10年継続した事例において、時効取得が肯定された例