1 海路による覚せい剤密輸入事件で、船舶が本邦の港に接岸後陸揚げ行為を開始していないものの、荷受人と覚せい剤の陸揚げ方法を打合せしていた事案について、輸入の実行の着手を認めた事例
2 右事案に係る関税法違反事件につき、覚せい剤を陸揚げする意思があるのにその旨を記載していない乗組員携帯品申告書を税関職員に提出した時点で、関税ほ脱の実行の着手を認めた事例
譲渡人が覚せい剤在中の封筒を郵送し、これが譲受人たる被告人の居住しているマンションに配達されて居室から離れた位置に設置されている被告人専用の郵便受に投入されたものの、被告人が右配達を認識していなかった事案につき、覚せい剤譲受罪を認めた事例
1 同一区画内にある賃借地の賃料増額訴訟において、一賃借地について算出した適正賃料を他の賃借地の適正賃料として認定した事例
2 適正賃料の算定につき、固定資産税と都市計画税の合算額と鑑定評価額との倍率を基礎に算出した事例
抵当権が設定されている宅地についての土地区画整理法上の換地処分に伴う清算金債権に対し差押・転付命令を得た者と施行者に対する右清算金の支払請求の可否
1 とんかつ料理店を営む原告の営業表示「勝烈庵」が、横浜市を中心とする周辺地誠において周知性を有していたとされ、鎌倉市大船所在の被告Aについては、距離的近接、生活圏としての一体性から、その周知性の及ぶ範囲にあり、その営業表示「かつれつ庵」の使用が、営業主体混同行為に当るとして差止請求が認容され、静岡県富士市所在の被告Bについては、くちコミによる方法及びマスメディアによる方法の両者の効果をあわせても、その周知性の及ぶ範囲にはないとされ、その営業表示「かつれつあん」の使用差止請求が棄却された事例 2 「かつれつ庵」という表示は、カツレツ料理を提供する料理店を一般的に意味する普通名称として慣用されるものとはいえない
意匠権の侵害につき、意匠法41条、特許法105条、民事訴訟法316条を適用して損害賠償額を推定し、差止請求とともに認容した一事例
体育文化団体の企画した山岳登山に参加した女性が遭難死した事故につき、その企画・実行した団体等に損害賠償責任が認められた事例
15歳の高校生の無免許運転事故とその両親の監督義務違反との間に相当因果関係を認め、両親に民法709条の賠償責任があるとした事例
労働者災害補償保険法の傷病補償年金受給権者である者について、同法の労働福祉事業であるその子弟の学資の支弁が困難であるとする援護費の支給が認められなかった事例
公立中学校の学級活動の授業時間中に級友の投げたプラスチック製の手製手裏剣が左眼にあたって中学生が負傷した事故につき、担任教諭に過失があるとして学校側の損害賠償責任が認められた事例
体育の時間に実施されたサッカーの試合中にボールが右眼にあたって失明した小学生の事故につき、担任教諭に被害生徒の保護者に対する通知義務を怠った過失があるとしたが、右過失と生徒の失明との間に因果関係がないとして損害賠償請求が認められなかった事例
国税犯則取締法2条に基づく差押処分については、犯則者がそれに次ぐ通告処分を任意に履行したときは、無効確認を求める法律上の利益を有しないとされた事例
刑事事件の被疑者が捜査機関等の行為の違法を理由として提起した損害賠償請求訴訟と不起訴裁定書の民訴法312条2号、3号該当性の有無(消極)
合併計画公表後にこれを知って株式を取得した者が商法408条の3の規定により株式買取請求をした場合における買取価格の決定基準(合併を前提として形成される市場価格によるべきである)
試用期間を3か月とする期間の定めのない雇用契約において、右試用期間直前に、使用者が雇用者に対してなした本採用拒否の解約権の行使が肯定された事例