1 ビルの大部分を所有する区分所有者に対し、ビルの各区分所有者の共有に属する共用部分の一部(屋上)に専用使用権を設定する旨の多数決による決議が有効とされた事例
2 区分所有者が専用使用権を取得した共用部分で行う営業行為により他の区分所有者(居住者)の専有部分の使用に特別の影響を及ぼしていることは認められるが、右営業行為の差止を求めることはできないとされた事例
3 ビルの一部を区分所有して、これを住居として使用している区分所有者から同ビルにおいて百貨店営業を行う区分所有者に対する騒音の差止請求が否定
1 具体的事件係属前又は判決言渡後にされた裁判官に対する忌避申立が不適法とされた事例
2 忌避申立のされた裁判官が申立人から別訴を提起されていても、これがもっぱら裁判官としての公的職務の執行の当否が問われている国家賠償等の事件であるときは、原則として忌避事由にあたらないとされた事例
虫垂炎の疑いのある患者に対し鑑別検査により確診をすべき注意義務の違背があるとし、財産的損害を数額化できない事情をも考慮して、開業医につき慰藉料の賠償を肯定した事例
仕入代金支払不可能となった時点で取締役会を開催しても、その後1か月の間に行われた新規仕入を阻止することは困難であったとして、平取締役の商法266条の3の責任が否定された事例
当事者の死亡により第一審の訴訟手続が中断し、これを受継した相続人が敗訴判決を受けて控訴した場合において、右相続人につき相続人たる地位を有しないことが別訴で確定したときは、控訴審裁判所は、一審判決を取消したうえ、訴えを却下すべきであるとされた事例
交通事故による損害のうち逸失利益として高額の副業収入ありとの主張に対し、副業の性質、収支、取引に関する資料の不充分なことから継続性のある安定した副業とはいえないが、全く副業収入がなかったとすることも妥当ではないとして副業による収入額を賃金センサスによる同年輩の男子労働者の年間賞与額相当とした事例
自己所有の不動産につき、自らの意思により他人所有名義の登記をした者は、民法94条2項の類推適用により、租税徴収のため右不動産を登記名義人の所有として差し押えた行政庁に対し、真実の所有関係を対抗することができないとされた事例
同一の債務名義に基づき2個の不動産につき別個に競売手続が進行し、先に競売された不動産の代金のみで剰余を生じた場合において、他方の不動産が競売されたことにつき債権者の不法行為及び権利濫用による損害賠償責任が否定された事例
工場内における従業員のビラ配布行為が会社内におけるビラ配布等につき事前に会社の許可を受けなければならない旨の就業規則等の規定に違反しないとされた事例
破産債権者は、届出債権について破産管財人の異議があって債権が未だ確定されていなくとも、破産管財人の提起した否認権行使事件に補助参加することができるか(積極)