弁護士費用に係る損害賠償債務についての遅延損害金の起算日(右費用が現実に出捐されていない場合には判決言渡の翌日と解すべきである)
高血圧性脳症により倒れた93歳の老人のした遺言書が、遺言者がその全文を自書し、これに指印をしたものとし、自筆証書遺言として有効とされた事例
土地の賃借権の存在を知りながら右賃借権及び地上建物について登記のないのに乗じ、かつ、自己使用の必要もないのに右土地を明渡させる目的でこれを買受けた者は、背信的悪意者であって、土地賃借権につき対抗要件の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないとした事例
耕地整理法(昭和6年法律第68号による改正前のもの)29条の2に基づくいわゆる仮換地の指定処分について、従前地を他に譲渡してしまった者は登記簿上の所有名義を有している場合であっても、その従前地についての仮換地指定義務の確認を求める等の訴えの利益を有しないとした事例
市長の違法な公金の支出を理由とする損害賠償の請求は、地方自治法243条の2第3項の賠償命令によってすべきものであるから、住民は代位訴訟により直接市長に対し損害賠償を請求することができないとされた事例
公団が一般外航貨物定期船埠頭の岸壁および関連施設等を建設して民間会社に貸付ける旨の賃貸借予約契約を締結したうえ受領した手付金は、解約手付ではなく証約手付であるとされた事例
建物賃貸借契約において、一定期間暫定的に賃料の減額を取り決めたが、その期間経過後9年余りにわたってその賃料で推移した場合にも、当初の約定賃料が黙示的に減額改訂されたものとはいえないとされた事例
転倒して頭部外傷を受けた児童が硬膜外血腫により呼吸停止を来して死亡した場合に、開業外科医につき継続的経過観察を怠った過失があるとしたうえ、診断の困難性等を考慮してその賠償責任を6割と認めた事例
原告の周知商標を商品に付して販売することが不正競争防止法1条1項1号のいわゆる商品主体混同行為に当たるとし、破産手続中であっても破産会社の事業再開が皆無とはいえないとして、破産管財人に対する差止請求が認められた事例
回転式立体組合せ玩具である、いわゆるルービック・キューブの商品本体及び容器の形態が商品表示として輸入販売業者である申請人の商品表示として周知性を有するとし、これと形態上の特徴が酷似する被申請人の商品販売行為が混同行為に当たるものとして、販売差止等の仮処分決定が認可された事例
戦時中台湾で預け入れた郵便貯金について、預け入れ後貨幣価値の著しい下落があっても、右貯金額が当然増額修正されるものではないとされた事例
骨折治療としての上腕部牽引の際、表皮剥離により手首にケロイド状傷痕を残遺させたとし、開業医の債務不履行責任が認められた事例