第三者異議の訴えによって排除が求められている強制執行の対象となった物件が、訴えた原告によって第三者に売却されたため訴えの対象が消滅したとして、右訴えを排斥した事例
遺産分割の前提として提起された養子縁組無効確認訴訟における確認の利益の判断にあたり、すでに有効な遺産分割の協議が成立し、または原告の相続回復請求権が時効消滅したことにより、原告にもはや右遺産分割の協議を求める余地がなくなったか否かを考慮することの可否
映画「エーゲ海に捧ぐ」の配給元・宣伝主体から承諾を得ている被告レコード会社がその映画の宣伝とワコール(洋衣料製造・販売)の宣伝を兼ねたキャンペーンソングとして制作れたヒット曲「魅せられて」収鑑のレコードに、「エーゲ海のテーマ」の表示及び「池田満寿夫監督作品「エーゲ海に捧ぐ」イメージソング」との表示を付した行為は、そのレコードの内容を右映画主題曲であるとの誤認混同を生じさせることにはならないとして、右映画主題曲の著作権に関する総管理権を有する原告音楽出版社から提起された不正競争防止法1条1項5号に
昭和43年10月の新宿駅騒乱事件の中心的役割を果たした中核派幹部ら21名に対する国鉄の損害賠償請求が認められた事例(東京地裁昭和58年6月27日)
司法巡査による通常逮捕後司法警察員への引致まで約11時間15分を要した事案につき、逮捕手続に重大な違法があるとして勾留請求を却下した事例
父母の婚姻関係が事実上破綻して別居中であり、母が子を監護養育している場合には、母が単独で子の法定代理人として、子の扶養義務者である祖父(父の父)に対し子の扶養料を請求することが許される
共同相続人の1人が相続不動産につき単独相続等を原因とする所有権移転登記を経由した場合に、他の共同相続人の持分権があることを知り、且つ、自己に相続持分があると信ずるに足る合理的事由もないときには、他の相続人からの侵害排除の請求に対し、相続回復請求権の消滅時効を援用することはできないとされた事例
遺言後にそれと抵触する内容の生前処分がされたとしても、それが通謀虚偽表示により無効であるときは、遺言は取り消されたものとみなすことはできないとされた事例
遺留分減殺請求に基づく特定物の返還請求訴訟において、受遺者から価額弁償の抗弁が提出された場合、それが弁償すべき価額の確定をも求める趣旨であるときは、受遺者に現物の返還を命ずる一方、その価額を支払うときは受遺者が右返還義務を免れることを判決主文で明らかにしておくのを相当とするとされた事例
額面総額78億余円の日銀小切手の遺失物の価格は額面総額の100分の2と評価するのが相当とし、その100分の5を拾得者に報労金として支払うよう命じた事例