業務委託契約に基づいて民間放送会社に派遣されていた労働者と当該放送会社との間にいわゆる使用従属関係が成立していたことは否定できないとしても、派遣元企業は放送会社とは独立した企業であり労働者からも派遣先である放送会社からも実質上の契約主体として契約締結の相手方とされていたことなどから、労働者と放送会社との間に黙示の労働契約が成立していたとは認められないとして一審判決を取り消し、地位保全の仮処分申請を却下した事例
報酬額の約定のない建築設計監理請負契約において、業界内部の基準、当事者の意思、仕事の規模、内容、程度等の諸事情を総合的に考慮して報酬額を決定した事例
保証人が債務を弁済したときは、主債務者は保証人に対しその弁済額を支払う旨の公正証書は、民事執行法22条5号の「一定の金額」の記載を欠き債務名義としての効力を有しないとされた事例
1 被担保債権の存在の立証は、民事執行法による担保権実行開始の要件ではないとした事例
2 担保を提供させたうえ、強制執行の停止を命ずる決定の正本はその担保の実行につき、民事執行法193条の「担保権の存在を証する書面」に当るとした事例
1 お年玉つき郵便葉書の発売枚数不足等による買受け不能と国の国賠法による損害賠償責任(消極)
2 お年玉つき郵便葉書の発売枚数不足による買受け不能につき国に民法上の損害賠償責任がないとされた事例
制限速度30キロメートル毎時で走行してきた軽四輪自動車が、停止車両の間を通って道路を横断しようとした歩行者を4.9メートル先に発見したが間に合わず衝突し、負傷させた場合において、4割の過失相殺をした事例
1 軽屏禁は懲罰の性質上当然に戸外運動等の禁止を伴うものであり、その執行期間中運動を停止することについて憲法36条の残虐な刑罰にあたるとはいえず、また監獄法38条、同法施行規則106条、同法60条1項8号、同条3項に違反するものではないとされた事例
2 軽屏禁罰中運動の停止部分の取消を求める訴えは、取消の対象を欠き、不適法であるから却下を免れないとされた事例
会社の総務課長代理がした渉外用物品(ビール券)購入の無権代理行為につき、表見支配人・表見代理の成立を否定し、使用者責任の成立を肯定し、損害につき4割の過失相殺を認めた事例
宗教団体の指導者の女性関係の乱れを指摘した文書による名誉毀損行為につき、被摘示事実の公共利害該当性、目的の公益性を肯定しながら、真実性の立証等がないとして、名誉毀損罪の成立を認めた事例
不動産売買において、時価235万9000円の土地を、「現在は600万円の土地だが3年後には何倍にも値上がりする」と称して591万円で売却した場合に、買主から売主である不動産会社に対する、詐欺を理由とする損害賠償請求を、売買当時の時価と支払額との差額の限度で認めた事例
仮差押えの差押目的財産が可分の場合、被保全権利及び差押目的財産の各一部について本執行が行われたとしても、本執行に移行しなかった残部については仮差押えの効力は消滅せず、仮差押債権者はあらためてこれについて本執行を申し立てて仮差押えの効力を援用できる旨判示した事例
反戦、軍事基地・自衛隊反対の政治課題を主たる目的とした地方公務員の争議行為につき、地方公務員法37条1項、地方公営企業労働関係法11条1項は憲法28条に違反せず、公務員個人に対し地方公務員法29条による懲戒処分が許され、且つそれらの処分が懲戒権の濫用にあたらないとされた事例
一筆の土地が三筆に分筆されて順次譲渡された場合に分譲された二筆の土地のため通行地役権又は通行のための使用借権設定契約が成立せず、また囲続地通行権も認められないとされた事例
生命保険契約締結の際約4年前に入院して切除手術をした右足背部の悪性黒色腫の疾病を告知しなかったことが告知義務違反にあたるとして保険契約の解除が認められた事例
地方自治法242条所定の(第2次)監査請求が却下された後に第1次監査請求不受理決定の取消を求める行政訴訟を提起したのが不当訴訟ではないとされた事例
原付自転車に乗って走行中、風で飛ばされて路上に落下した市立学校のプール監視所の日除け用スダレに乗りあげ転倒して死亡した事故につき、プール監視所の設置管理に瑕疵があるとして損害賠償責任が認められた事例