ビルの1室の営業用(飲食店)店舗の賃貸借において、畳敷の客席設備部分が、右店舗の使用に客観的な便益を与えるものではなく、借家法5条の買取請求の対象となる造作ではないとして、賃借人において、右設備部分の買取請求をしない旨の約定を有効とした事例
拒絶査定に対する審判請求後の一発明増加につき出願手数料と審判請求料が不納付で、納付を命ずる補正指令書の期間内にも納付がなかった場合には、一発明時に拒絶理由通知が発せられるなど審判としての実体審理が始まっていても、一発明増加により補正された出願全体を新たに一体として特許要件の有無について改めて審理の対象としなければならないこと、また出願手続の一環としての審判手続の特則、その手続間の一体性などを考慮すると、手数料納付に関する処理は中間手続とはいえず、その不納付を方式的審査の対象として特許法133条2項の規定に基づき審判長の権限で審判請求
路面電車が道路を横断しようとしてその中央の軌道敷部分に入った4歳の幼児を轢過した事故につき、電車運転士には、右事故を予見し回避することは不可能であったとして、過失を認めず、使用者責任を否定した事例
設定登記が存在しても占有を伴わない短期賃借権は、不動産の利用を目的とするものではないから民法395条所定の保護の対象とならず、不動産競売事件の物件明細書の記載事項に該当しない
遺産分割審判において、みなし相続財産は相続開始時を、分割の対象となる遺産は分割時を、基準として評価すべきであるとした事例
無罪判決が確定した窃盗被告事件につき、警察官の逮捕、送致及び検察官の勾留請求には違法の点はないが、警察官の捜査方法及び検察官の勾留維持、公訴提起には違法の点があるとして国家賠償請求が認容された事例
1 建物に対する占有の実態が認められないとして民法359条の適用を否定した事例
2 抵当権者に対抗しえない短期賃借人の敷金の返還請求権等を否定した事例
被告が小犬のぬいぐるみを製造・販売する行為は、いわゆるキャラクター商品として著名なスヌーピーのぬいぐるみの意匠権を侵害するものとして、差止請求および販売価格の10%に当たる実施料相当額の損害賠償請求が認容された事例
放火罪につき、犯行当時、アルコール幻覚症に基づく妄想に支配されていたため、是非善悪を弁別し、且つそれに従って行動する能力を欠いていたことを理由に、無罪が言い渡された事例
1 民訴法200条4号所定の「相互ノ保証アルコト」の意義
2 民訴法200条3号の規定と外国裁判所の判決の成立についての公序良俗違反
計算書類等承認の株主総会決議取消の訴えの係属中にその後の決算期の計算書類等の承認がされた場合と右取消を求める訴えの利益
公立小学校五年の児童が放課後担任教諭の許可を得て学習中、同級生の飛ばした画鋲つき紙飛行機が左眼にあたって負傷した事故につき同教諭に監督上の過失がないとされた事例
業務委託契約に基づいて民間放送会社に派遣されていた労働者と当該放送会社との間にいわゆる使用従属関係が成立していたことは否定できないとしても、派遣元企業は放送会社とは独立した企業であり労働者からも派遣先である放送会社からも実質上の契約主体として契約締結の相手方とされていたことなどから、労働者と放送会社との間に黙示の労働契約が成立していたとは認められないとして一審判決を取り消し、地位保全の仮処分申請を却下した事例
報酬額の約定のない建築設計監理請負契約において、業界内部の基準、当事者の意思、仕事の規模、内容、程度等の諸事情を総合的に考慮して報酬額を決定した事例
保証人が債務を弁済したときは、主債務者は保証人に対しその弁済額を支払う旨の公正証書は、民事執行法22条5号の「一定の金額」の記載を欠き債務名義としての効力を有しないとされた事例
1 被担保債権の存在の立証は、民事執行法による担保権実行開始の要件ではないとした事例
2 担保を提供させたうえ、強制執行の停止を命ずる決定の正本はその担保の実行につき、民事執行法193条の「担保権の存在を証する書面」に当るとした事例