差押えの効力発生前債務者兼所有者から不動産を買受けて引渡を受け以後これを占有する者は、その権原が買受人に対抗し得ない場合であっても、民事執行法83条所定の「権原により占有している者」にあたり、右占有者に対し引渡命令の発令を求めることができないとされた事例
公営住宅法25条1項、東京都条例20条1項6号、借家法1条の2の関係について判示し、右都条例の規定に基づき東京都がした都営住宅の使用許可の取消しを、借家法1条の2にも該当し、有効であるとした事例
審判事件理由補充書の送達がなく、被請求人である意匠権者に対し答弁をする機会を与えずに、刊行物を引用する新たな無効事由の主張を採用した無効審決は、重要な手続違背があるとして、取消された事例
抵当権の目的土地の賃借人が、競売手続開始決定後右土地に建物を移設したことは、競売不動産の価格を著しく減少する行為に当らないとした事例
1 民事執行法193条1項にいう「担保権の存在を証する文書」の意義
2 民事執行法193条1項にいう「担保権の存在を証する文書」の提出があったとはいえないとされた事例
公立小学校の生徒が漫画クラブの活動中に他の生徒が手製の弓で発射した矢を右眼に受けて失明した事故につき、学校長及び担当教員に過失があるとして地方公共団体の損害賠償責任が認められた事例
交通事故被害者の多彩な神経症状はもっぱら被害者自身の心因的要因なかんずく被害者の性格によるものであるとしつつ、右症状の発現には右事故も間接的ながら重要な誘引力を有していたとして、症状固定時までは右症状全部について、それ以後は3分の1の限度で事故との因果関係を認めるのが相当であるとした事例
市の公営住宅居住者に対する汚水処理場の使用料支払請求が、憲法その他の法令に違反せず、権利濫用にも当らないとして認容された事例
1 テレビ型ゲームマシンの影像とその変化の態様をアッセンブリ言語によって表現したソフトウェアプログラムが著作物に当たり、これを一部改変して被告商品のROMに格納することが複製に該当するとして利益額相当の損害賠償が認められた事例
2 右事案につき著作権としての保護が与えられる以上、不正競争防止法上の請求及びその原画に対する著作権法の請求について判断する要はない
1 国際間の海上物品運送契約の準拠法を船荷証券の記載により定めた事例
2 荒天による運送品の水濡れ事故は海上の危険により生じたものでなく、又堪航能力担保義務が尽くされていないとされた事例
3 荷揚げ後の損害について責任を負わない旨の免責約款が有効とされた事例
4 外国法が不明の場合条理により裁判すべきものとされた事例
釘を抜くため金属製釘抜きの頭部を金槌で打ちつけた際、金槌の頭部に亀裂が入り剥離した破片が眼球に入って失明した事故につき、金槌の製造・販売業者らに対する損害賠償請求が認められなかった事例
市が租税収入の増大、職員の福利厚生などの行政的政治的配慮のもとにゴルフクラブ会員権を取得した行為につき、それが地方自治法149条6号の財産権の取得にあたり違法とはいえないとされた事例
ぱちんこ店が遊技客に提供した賞品を遊技客から買い受け、ぱちんこ賞品問屋に販売する事業を行うために、共同出資する旨の組合契約を、公序良俗に反し無効であるとした事例
宗教法人の代表役員等の地位不存在確認という具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争であっても、その争点が宗教上の教義・信仰にかかわる宗教上の争いであるときは、裁判所法3条にいう法律上の争訟にあたらないとされた事例
1 市役所吏員が不適式な申請書を受理して印鑑登録をしたことに過失があると認めた事例
2 登記官が保証書中の保証人の印影と添付された印鑑証明書の印影が異なるのを看過して登記申請を受理したことに過失があると認めた事例
受像機に映し出されるインベーダーを主体とする各種影像とゲームの進行に応じたこれら影像の変化の態様が、原告商品の出所表示の機能を備え、いわゆる営業表示として周知となったとし、右影像とその変化の態様と同一または類似の各種影像とその変化の態様を受像機に映し出す被告らの商品の製造販売等の行為が不正競争防止法上の混同行為に当たるとして製造許諾料相当の損害賠償請求が認容された事例
抗生物質等注射薬剤の大腿部への筋肉注射により大腿四頭筋短縮症が発症したとし、製薬会社らに対し、右薬剤を製造・販売するにあたり、その安全を確認等する義務懈怠による過失があるとして賠償責任を肯定し、国に対しては、右医薬品の安全確認義務等の違背はないとして、その責任を否定した事例