交通事故により左腎破裂等の傷害を受けた被害者の死亡に基づく、右事故加害者及び診療医らに対する損害賠償請求につき、医師のウィルムス腫瘍診断及び転医指示上の義務違背を否定し、右事故加害者に対し、右傷害後遺症及び血清肝炎の限度で責任を認めた事例
1 相手方に重過失のある場合と商法42条1項本文(表見支配人)の規定の適用の有無(消極)
2 請負人の被用者が注文者たる村から請負代金を騙取したことによる請負人の使用者責任が問われている事案について、村の執行部が右被用者から饗応を受けるなどしたため同人に対し気を許し必要な注意を怠ったという事情の存することを考慮し4割の過失相殺をした事例
夫の実印・印鑑証明書及び権利証を所持した妻が代行する形で、妻の債務についての連帯保証、根抵当権設定契約を締結した場合に、右契約の相手方である金融業者について、民法110条による表見代理の成立を否定した一事例
タクシー会社が、従業員を雇用するに際して行なった健康診断の結果、精密検査を要するとの診断が出たにもかかわらず、これを本人に知らせないままタクシー業務につかせたため、病状(肺結核)が悪化したとして、債務不履行に基づく損害賠償請求が認められた事例
1 特定の日時・場所における覚せい剤の所持を内容とする訴因と右の日時・場所に至るまでの約35分間の継続した覚せい剤の所得を内容とする訴因の間に、公訴事実の同一性があるとされた事例
2 覚せい剤の所持につき正犯意思を欠くとの主張を排斥して、正犯が成立するとされた事例
3 覚せい剤所持における「営利の目的」とは、犯人みずから財産上の利益を得る目的を有する場合のほか、第三者にこれを得させることを動機・目的とする場合をもいうとして、営利の目的による所持であるとされた事例
選挙管理委員会がした選挙に関する啓発、周知等の活動が公職選挙法205条1項にいう選挙の規定違反にはあたらないとされた事例
分解されたけん銃の部品を一括保管する所為が銃砲刀剣類所持等取締法31条の2第1号所定のけん銃の所持にあたるとされた事例
関節穿刺による化膿性膝関節炎の結果につき、その原因を確定せず、いずれかの汚染防止義務の違背があるとして、開業医の不法行為責任を肯定した事例
1 役員選任の株主総会決議取消しの訴えの係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了等により終任し、その後の株主総会の決議によって取締役ら役員が新たに選任されたときは、さきに選任された役員らの行為によって会社等が損害を蒙り、その回復のため右決議を取消し役員の地位を否定する以外に方途がない等特別の事情のない限り、右決議取消の訴えはその利益を欠くに至る
2 株主総会における取締役選任決議が取消されると、右役員らに支給された報酬、交際費等を取戻し、右役員による金融機関との間でした借入金の利率改定の効力を否定しうる等の事情は、右決議取消しの訴えの係属中旧役員の終任及び新役員の選任により右訴えの利益を失わしめない特別の事情に該当しないとした事例
1 商標登録出願人の住所に関する手続補正書に記載された事件表示の誤記は、法によって要求される本質的要件にかかわるような、治癒できない瑕疵とはいえないとして、その補正を命ずることなく、右手続補正書に対してした不受理処分を取消した事例
2 右手続補正書を、提出された後2年余放置しながら、これを適式なものでないとして、補正書の提出がないことを理由にした出願手続無効処分は、重大かつ明白な瑕疵が存するから無効である。
1 ピアノメーカーとして著名な企業である日本楽器の特約店の地位を示す「ヤマハ特約店」の表示が、不正競争防止法1条1項2号所定の営業表示に当たるとされ、「メーカー協賛」「メーカー直結」等の表示と、ヤマハピアノの品種番号等を一体に使用することが、同号所定の営業主体混同行為に該当することを理由に、差止請求及び信用回復措置請求が認容された事例
2 不正競争防止法1条1項5号所定の商品客体誤認惹起行為に当たるとして差止請求及び信用回復措置請求が認められた一事例
3 不正競争防止法1条1項6号所定の営業中傷行為に当たるとされ、その差止と信用回復措置請求が認められた事例
4 被告のいわゆる「おとり広告」が不正競争防止法1条1項5号
1 約束手形の振出人と裏書人の各債務は民訴法59条前段の「義務力数人二付共通ナルトキ」にあたる
2 約束手形の振出人と裏書人を共同被告とする訴訟については民訴法21条の適用がある