倒産を目前にした会社が金融機関から融資を受けるため、右金融機関に対する旧債務の代物弁済としてした債権譲渡が詐害行為にあたるとされた事例
動産売買の先取特権の目的動産が転売されて代金債権に変わった後、右転売代金債権を当初の売買代金債権担保のため債権譲渡しても、それが当初の価格を超えない範囲においては破産債権者を害せず、否認の対象とならないとした事例
水資源開発公団法20条1項所定の協議方法として締結された協定に基づき水資源開発公団に対してした河口堰工事着工についての知事の同意が、行訴法3条にいう行政処分にあたらないとされた事例
1 宗派(日蓮宗)管長は懲戒の手続によらず裁量をもって被包括法人たる寺院の住職を免ずることはできない
2 宗教法人たる寺院の住職(代表役員〉に就任するに際し、関係者間で就任後短期間で住職を辞任する旨の合意がされ、あらかじめ作成日付欄を空白にした住職退職承認申請書を宗派管長宛に提出した者は住職就任後に右書面による退職承認申請を撤回することはできないとした事例
青色申告書に係る更正の取消訴訟において課税庁が更正を維持するために更正通知書に附記されていない理由を主張することの可否(積極)
1 土地改良事業の施行において、従前地の登記簿上の面積に従って一時利用地指定処分がなされたとしても、右処分が違憲、違法とはならないとされた事例
2 右一時利用地指定処分にあたり、所有者を異にする数筆の土地に対し一括して一時利用地の指定がなされたとしても、右数筆の土地の耕作者が一人であり、その者が一括指定を希望したような場合には、右処分が違法とはならないとされた事例
1 自賠法3条の他人については、被害者の他人性阻却事由の存在につき運行供用者が主張証明責任を負う
2 自賠法3条による損害賠償請求権の消滅時効は、被害者の他人性の有無とかかわりなく、被害者が運行供用者を知ったときから進行を開始する
1 囲繞地通行権に基づく建物新築工事用の自動車及び工事関係者の通行権を認め、その妨害行為の禁止と損害賠償を求める請求を認容した事例
2 右通行権者が付近住民の建築工事に際し、迷惑料を受領しながら、右自動車通行について、沿道住民に誠意ある態度であいさつに回り、あるいは迷惑料の支払を提案することがなかったとして、右損害の算定に当たり過失相殺として3割を減額した事例
1 土地改良区の清算人解任を本案とする清算人の職務執行停止仮処分の許否(消極)
2 土地改良区の清算総会の決議無効確認の訴の許否(積極)
公務員の免職処分の執行停止の申立が、妻の収入、申立人の退職年金により標準以上の生活を維持することができ、回復困難な損害が生ずるものとは認められないとして、却下された事例
国民年金手帳引渡請求権の差押の申立につき、差押を禁止された国民年金受給権の差押を図ろうとしてなした執行すべからざる権利に対する執行申立として許されないとした事例
重篤な結核患者が肺切除等数次の手術を経て死亡するに至った事案につき、これらを施行した医師らに診療上の義務違背がないとして、国立療養所の債務不履行責任が否定された事例
医師会の共済事業の一環として、医師が医療事故に関して作成したてん末報告書等が、民訴法312条3号後段の文書に該当しないとされた事例
歯科医師に対する賠償請求訴訟において、一部継歯治療上の過誤を認めたが、これとリウマチとの因果関係はないとし、歯齦膿瘍の結果についてのみ再治療費等の賠償を命じた事例
国電の追突事故について、被告人の過失責任を否定する弁護人の主張を排斥して運転士に業務上過失往来妨害罪及び業務上過失傷害罪の成立を認めた事例
他人の子として出生届、認知がなされ、以来多年にわたり甲なる氏を称していた者について、認知無効の裁判を経て戸籍訂正がなされた結果、本来の氏乙と称するに至った場合において、これを変更し甲の氏を称することにやむを得ない事由があるとした事例