幼児が急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(川崎病)の後遺症としての冠動脈血栓症により死亡した場合に、関与医師らに診療上の義務違背がないとされた事例
金額を漢数字によって「金壱百円」、算用数字によって「¥1,000,000-」と重複して記載された約束手形について、100万円を手形金額と認めた事例
登記義務者に登記申請意思が存しない場合でも、登記が実体的権利関係に合致する以上、登記義務者に該登記を拒みうる正当な実質的利益がない限り、登記の抹消を求めることはできない
強盗殺人、死体遺棄事件につき、被告人の自白調書の証拠能力は認められるが、信用性に疑いがあるとして原判決を破棄し、無罪を言い渡した事例
1 会社解散に伴う事業閉鎖を理由とする解雇が事前協議条項に違反し無効とされた事例
2 解散をした子会社の従業員につき、法人格濫用の場合にあたるとして子会社の法人格を否認し、子会社と親会社を同一視したうえ、親会社との間に雇用関係の存在を認めた事例
1 総評の春闘統一行動の一環としての地区労働者協議会主催の集会に参加するための高校教員の平次休暇の請求が争議行為にあたらず、かつ事業の正常な運営を妨げるものではないとされた事例
2 高校の物理の期末試験の行われる日について出題教員のした平次休暇の請求が事業の正常な運営を妨げる場合にあたるとされた事例
ゴルフ倶楽部の入会金等の支払を担保するために振出されたいわゆるマル専手形であっても、手形授受の当事者間に暗黙の譲渡禁止の特約がされたと推定することはできないとされた事例
手形の形式不備により不渡届を要しない場合の例外として、受取人及び振出日白地のものについてのみ手形債務者に資金不足等の事由があるときは不渡届をなすべきことを加盟銀行に義務づけた大阪手形交換所規則及び細則は、手形法に抵触せず合理性があり、右規則等に従って不渡届をした銀行は損害賠償等の責任を負わない
倒産を目前にした会社が金融機関から融資を受けるため、右金融機関に対する旧債務の代物弁済としてした債権譲渡が詐害行為にあたるとされた事例
動産売買の先取特権の目的動産が転売されて代金債権に変わった後、右転売代金債権を当初の売買代金債権担保のため債権譲渡しても、それが当初の価格を超えない範囲においては破産債権者を害せず、否認の対象とならないとした事例
水資源開発公団法20条1項所定の協議方法として締結された協定に基づき水資源開発公団に対してした河口堰工事着工についての知事の同意が、行訴法3条にいう行政処分にあたらないとされた事例
1 宗派(日蓮宗)管長は懲戒の手続によらず裁量をもって被包括法人たる寺院の住職を免ずることはできない
2 宗教法人たる寺院の住職(代表役員〉に就任するに際し、関係者間で就任後短期間で住職を辞任する旨の合意がされ、あらかじめ作成日付欄を空白にした住職退職承認申請書を宗派管長宛に提出した者は住職就任後に右書面による退職承認申請を撤回することはできないとした事例
青色申告書に係る更正の取消訴訟において課税庁が更正を維持するために更正通知書に附記されていない理由を主張することの可否(積極)
1 土地改良事業の施行において、従前地の登記簿上の面積に従って一時利用地指定処分がなされたとしても、右処分が違憲、違法とはならないとされた事例
2 右一時利用地指定処分にあたり、所有者を異にする数筆の土地に対し一括して一時利用地の指定がなされたとしても、右数筆の土地の耕作者が一人であり、その者が一括指定を希望したような場合には、右処分が違法とはならないとされた事例
1 自賠法3条の他人については、被害者の他人性阻却事由の存在につき運行供用者が主張証明責任を負う
2 自賠法3条による損害賠償請求権の消滅時効は、被害者の他人性の有無とかかわりなく、被害者が運行供用者を知ったときから進行を開始する
1 囲繞地通行権に基づく建物新築工事用の自動車及び工事関係者の通行権を認め、その妨害行為の禁止と損害賠償を求める請求を認容した事例
2 右通行権者が付近住民の建築工事に際し、迷惑料を受領しながら、右自動車通行について、沿道住民に誠意ある態度であいさつに回り、あるいは迷惑料の支払を提案することがなかったとして、右損害の算定に当たり過失相殺として3割を減額した事例