1 支払見込みのない手形を振り出した代表取締役につき商法266条ノ3の責任が認められた事例 (過失相殺約3分の2)
2 取締役就任の登記を承諾したいわゆる表見取締役につき右代表取締役の行為を監視しこれを防止することができたという状況になかったとして同条の責任が認められなかった事例
タクシー乗務員の運行記録計紙(いわゆるタコメーター・チャート紙)装着拒否闘争が争議行為に当たるとされ、闘争期間中の賃金請求及び休業手当請求が否定された事例
航空管制回線切断事件に関する週刊誌の記事において、犯人ないし内部協力者であるかのように記載された電電公社職員の名誉を毀損したとし、出版者と編集長に対し、謝罪広告の掲載と損害賠償の支払が命じられた事例
東京都清掃局の下請会社の清掃車がスクールゾーンに違法侵入して通学途中の児童に衝突死亡させた事故につき、東京都と下請会社の損害賠償責任を肯定したが、道路の管理者と学校側の損害賠償責任を否定した事例
自動車の衝突事故で同乗していた妻が流産を余儀なくされた場合に、夫に胎児を失ったことを理由とする慰藉料請求を認めた事例
債務者の名称を表示する商標であっても、需要者の注意をひきやすい表示方法であることなどから商標法26条1項1号にいう自己の名称を、「普通に用いられる方法で表示する商標」には当らないとされ、これを根拠とする抗弁等が否定され、登録商標権者である債権者に対する商標権侵害が肯定されて、使用差止の仮処分決定が認可された事例
1 一筆の土地の一部分の売買契約においてその対象である土地部分が具体的に特定していないとされた事例
2 多数持分権者との間の売買契約に基づいて共有地の一部分の引渡を受けた者に対する少数持分権者からの返還請求ができないとされた事例
中古車両(外車)を毀損された場合、修理費相当額が破損前の当該車両と同種同等車両の交換価格を著しく超えるときは、交換価格からスクラップ代金を控除した残額が損害額であるとした事例
1 公有水面を埋め立てるため投入された土砂と公有水面の地盤から独立した動産としての存在
2 公有水面を埋め立てるため投入された土砂を埋立権とは別個に譲渡することの可否
保証の額が最低売却価額3656万円の約2割の732万円と決定されていたが、保証金提出袋には「保証金は、入札価額の2割以上の現金に限ります」と記載されていたため、買受希望者が、保証の額の5倍を超える金額で入札することができないと誤信して買受申出をしたときは、入札手続に重大な誤りがあるとして売却を不許可とするのが相当とされた事例
婚約を不当に破棄した男性と母親の共同不法行為の成立を認め、慰藉料400万円と嫁入道具購入代金の7割相当の損害等の支払を命じた事例
甲と乙の間の建物賃貸借における賃料額を確定し、乙に対して未払賃料の支払を命ずる前訴の確定判決は、甲が乙に提起した後訴の当該建物の明渡訴訟において、甲は右建物を乙が代表者をしている丙会社に賃貸しており乙は丙会社の機関として居住しているとの抗弁事実を認定することを妨げない(争点効の理論を採用しなかった事例)
組織検査のための左頚部腫瘍摘出手術に際し、これを悪性とみて全摘し頚椎神経を切断した医師につき、診断及び執刀上の過失があるとされた事例