遺留分権利者が、選択的にせよ、受遺者に対し、民法1041条の価額弁償を請求しているときは、受遺者が現実の価額弁償をしなくても、遺留分権利者の現物返還請求権が消滅したとして、価額弁償を命ずることができるか(積極)
工業団地の製造業者らの操業権を理由とするマンション建築工事の差止めを求める仮処分申請が被保全権利の疎明がないとして却下された事例
株主が会社に対し取締役の責任を追及する訴の提起を請求することなく代表訴訟を提起したが、その訴訟係属中改めて会社に対し請求をなし、会社が右請求を受けてから30日内に訴を提起しなかった場合、右訴のかしは治ゆされるとして中間判決をした事例
1 民訴法187条3項に基づく再尋問の申出の採否に当っては、その当事者に有利な認定判断を導き得る可能性があるか否かにより必要性の有無を判断すべきである
2 忌避申立権が濫用であって当該裁判官による簡易却下が違法でないとされた事例
株式会社の取締役に任務懈怠行為があって取引先の自動車販売会社に対し商法266条ノ3による損害賠償責任を負う場合に、右自動車販売会社が取締役に提起した損害賠償請求訴訟において同社が負担することとなった弁護士費用を右任務懈怠行為と相当因果関係がある損害と認めなかった事例
仮睡者を狙った窃盗事件が多発している状況下において、警察官が仮睡者を装って横臥中、同警察官のポケットから財布を抜き取ったところ現行犯逮捕された事件について、窃盗既遂罪の成立を認めた事例
高価品(有価証券)の鉄道運送委託にあたり要償額の表示はないが価額の明告がなされた場合に運送品滅失により運送人の負う不法行為に基づく損害賠償額は右明告額を限度とするとされた事例
1 株式会社の代表取締役(業務担当)について、商法266条の3の責任が認められた事例
2 右の場合に、取引の相手方にも、損害の拡大について過失があるとして、3割の過失相殺が認められた事例
1 住居利用に関し複数の利益享受者が存する場合、その一部の者が特定の個人に対して住居への立ち入りを許容したとしても、他の者が拒否する限り、その者との関係で住居侵入罪が成立する
2 会社の元代表取締役に対して団体交渉を要求する目的でその別荘地内に立ち入った労組委員長の行為につき、労組法1条2項等による違法性阻却の可能性があるとして、この点に関する一審の訴訟手続に審理不尽の違法があるとした事例
刑務所長が、未決拘禁者からの雑誌の閲読許可願に対し、右雑誌中の在監者の処遇、取扱いについての訓令、通牒、通達等の部分を不許可にしたことが違法ではないとされた事例
1 通常の耐力を有する軽量鉄骨造陸屋根3階建居宅1棟(延床面積154・30平方メートル)の建築の設計及び施工の請負工事につき、日本軽量鉄骨建築協会作成の軽量鉄骨建築指導基準及び日本建築学会作成の薄板鋼構造設計施工基準に達しない板厚1・6ミリメートルの鉄骨を使用した点等において、建物の安全性に欠け、瑕疵があるとして、債務不履行(不完全履行)による損害賠償を命じた事例
2 債権の一部の請求であることが明示されていない給付訴訟中に、同一債権に基づき請求が拡張された場合において、右拡張された請求部分につき、消滅時効が完成しているとして、請求が棄却された事例 3 請負仕事に瑕疵があることを理由に、慰藉料請求が認められた事例