不法行為による損害賠償請求訴訟の途中で原告が過失の内容に関する主張を変更した場合において当初の訴え提起による時効中断の効力が新主張に基く損害賠償請求権に及ぶものとされた事例
1 ファイナンス・リース契約について利息制限法1条の適用を否定した事例
2 機械のリース契約において、借主がリース料の支払を1回でも遅滞したときは貸主は通知催告を要しないで
(A)リース料残額全部の即時弁済の請求、
(B)物件返還の請求、
(C)契約の解除と損害賠償の請求、
の全部又は一部ができるとの条項があっても、貸主が右(A)のみを選択して請求している場合は、右条項は公序良俗違反、権利濫用等の一般原則に牴触しない
「Y合名会社の社員はA、B、Cの3名であった」旨陳述し、相手方がこれを認めた場合、右陳述は権利自白であるとして、事実自白の撤回の要件の充足を必要としないで、その撤回を許容した事例
染色廃水処理装置建設工事の際発生した排気ガスにより近隣住民に対し急性薬物中毒の傷害を負わせた事故につき、注文者の損害賠償責任が認められた事例
地方公務員の争議行為のあおり・そそのかし(早朝決起集会等への参加呼びかけ)を理由とする戒告処分が懲戒権の濫用として取り消された事例
1 地公労法11条1項は憲法28条に違反しない
2 市清掃事務所作業員らに対し争議行為の指導等を理由としてなされた懲戒処分に関し、懲戒権の濫用を免職処分についてのみ肯定し、停職処分については否定した事例
甲と乙が各自の車両を操作して乙の車両荷台に甲の車両を積み込む際に甲運転の車両が転倒して甲が死亡した事故につき甲は乙の車両運行にとって自動車損害賠償保障法3条本文にいう「他人」にあたるとは断じえないとされた事例
控訴人補助参加人がした控訴を被参加人である控訴人が取下をした後であっても、右補助参加人は、右控訴が控訴審に係属中であることの判決を求める申立をすることができるとされた事例
農業協同組合の総代の選挙、総代会の議決に無効事由がある場合、組合員の提起する総代選挙無効確認訴訟、議決無効確認訴訟は許されるか(積極)
1 不正競争防止法1条1項1号の規定にいう「商品」とは、少なくとも有体物であることを要するから、控訴人らの創作した「タイポス45」と称する平仮名及び片仮名の書体は、これに含まれない 2 同号の規定によって保護される客体は、信用の保持者たる商品主体、すなわち商品取扱業務に従事する業務主体に限られる 3 文字の書体には法律上の保護に値する利益はないとして、控訴人らが創作した「タイポス45」と称する書体に類似する活字及び母型の製造、販売行為による不法行為の成立が否定された事例
隣地の占有者に対する下水道管及びガス管敷設工事の承諾請求及び妨害禁止請求を、民法209条、210条、220条及び下水道法11条を類推適用して認めた事例
建築工事について、工事が途中で中断し予定された最後の工程を終えない場合は、工事は未完成というべきであり、他方予定された最後の工程まで一応終了し、ただそれが不完全なため補修を加えなければ完全なものとならない場合には、その目的物に瑕疵があるときに該当すると解すべきである
いわゆる公図上に表示されている土地が、現地に存在しない場合にも登記官の公図に対する実質的調査義務を怠ったとはいえないとされた事例
宅地建物取引業者が、取引物件たる土地が売買時の現状で住宅等の建築用敷地に供しうるものでなければならないのに、宅地造成等規制法及び建築基準法上の制限事項を確認せず漫然と現地の案内をし、物件説明書でも右制限事頂が付いていないとして売買契約の媒介をしたものと認め、右媒介に過失があり不法行為責任を負うとした事例