1 会社設立時の発行株式の帰属につき名義者の株式であるとされた事例
2 新株発行における払込みがいわゆる見せ金による払込みでその効力が否定された事例
1 亜鉛製錬所排出物を原因とする大気汚染、水質汚濁、土壌汚染による農業損害につき加害企業の故意責任を認めた事例
2 右農業損害の賠償請求につきいわゆる包括請求方式の可否
3 農業損害に関する損害額の算定
4 加害企業の損害賠償債務消滅時効の援用を権利の濫用と認めた事例
1 株式会社に対し会社更生法39条の規定により弁済禁止の保全処分が命じられたのちに契約上の会社の債務の弁済期が到来した場合とその履行遅滞を理由とする契約解除
2 買主たる株式会社に更生手続開始の申立の原因となるべき事実が生じたことを売買契約解除の事由とする旨の特約の効力
1 昭和44年12月に出生した極小未熟児に対する担当医師のステロイドホルモン剤等の投与の措置について診療上の過失責任が認められなかった事例
2 昭和44年12月に出生した極小未熟児につき担当医師において光凝固法の存在を説明し転医を指示する義務がないとされた事例
上告裁判所が自らした審決取消請求事件の判決の言渡により実用新案登録の無効審決確定の事実が顕著である場合に実用新案権に基づく損害賠償請求は理由がないとされた事例
1 本邦に不法に入った外国人に対し外国人登録法3条1項、18条1項の適用を認めることと憲法38条1項
2 旅券に代わるべき書面として提出を求める陳述書等に不法入国に関する具体的事実の記載を示唆する等の取扱いのもとにおいて不法入国外国人に対し外国人登録法3条1項違反の罪の成立を認めることと憲法38条1項
不動産登記における登記所でのいわゆる「連件処理」は、第一の登記が裁判所の嘱託による場合でも適法であるとし右によって登記事務を処理した登記官には違法はないとされた事例
1 地方自治法179条の専決処分の領域は、議会の議決によらなければ意味がない事項を除き、その議決事項のすべてに及び、給与・報酬の改定を内容とする条例改正にも及びうるとされた事例
2 単に予算が議決されただけで、条例改正がなされていない段階で給与・報酬改定による差額支給を行うことは、地方自治法204条の2、232条の4第2項の規定に違反する違法な支出といわざるをえないが、条例に代わる専決処分の成立によってそれ以降の違法は治ゆされ、残る違法についても改正条例の附則中に遡及適用の定めがあるときは、当然遡って報酬等の受給権が取得され、右公金支出によって地方自治体には具体的な損害はなかったものというべきである
幼稚園の適正配置を検討するにあたり幼稚園を新設することによる既設幼稚園への影響をも配慮するのは、その主たる目的が幼児教育の機会均等を実質的にはかろうとするもので、既設幼稚園の設置者の利益を保護するために幼稚園の集中を排除することを目的とするものではないから、右配慮により既設幼稚園の設置者が利益を得られることがあってもそれは反射的利益であって、県知事のなした新設幼稚園の設置認可処分につき、既設幼稚園の設置者は、取消を求める法律上の利益はない
1 民訴法200条3号の公序良俗とは、外国判決の内容のみならず判決の成立手続に関するものも含まれる
2 民訴法200条4号の相互保証とは、外国判決の承認の要件が当該判決国とわが国とで重要な点でほぼ同一であり当該判決国の定める要件がわが国の定めるそれよりも全体として過重でなく実質的にほとんど差がない程度のものであれば足りる
1 有限会社の代表取締役が、会社の財産が13年間殆んど債務超過であったのにかかわらず長男に会社の経営を任せ自らは一部を手伝う程度であって、倒産寸前には自転車操業の状態にあり資金繰りに追われていたのにこれを放置し、ついに会社は不渡手形を出し倒産した等の事情がある場合には、重大な過失によりその職責を尽さなかったものと認めるべきであるとした事例
2 有限会社の代表取締役に重大な過失によりその職責を尽さなかったものと認められる事情がある場合でも、右代表者の配偶者の弟で高校の教諭をしているものが、会社の仕事の仕事はしないし何らかの責任も負わないとの条件で取締役に就任し、約27年間会社の経営に関与せず報酬を受けず出資もせず、また右会社は代表者の個人会社で取締役として業務内容に口出ししても受容されず、会社に影響力を行使できる立場にもない等の事情がある場合には、右取締役に職務を行うにつき故意又は重大な過失があったものということはできないとされた事例
長年採炭作業や岩石発破作業等に従事してきた作業員が肺がんに罹患して死亡した場合において右死亡が業務に起因して発生したものと認められた事例