上告審において一審判決には重大な事実誤認を看過した違法があるとして破棄差し戻しされた業務上過失致死傷、道路交通法違反事件について、差戻し後の控訴審において業務上過失致死傷の事実に無罪が言い渡された事例
多数の労働組合員が職場交渉の場に学校長を監禁した旨の公訴事実に対し、校長が自らの意思でその場にとどまっていたのではないかとの合理的疑いを免れないとして、一審の無罪判決が維持された事例
いわゆる粉飾決算を行い、それにより、違法配当(商法489条3号)、特別背任(商法486条1項)及び証券取引法違反(207条1項、197条1号の2、24条1項)の罪がそれぞれ成立するとされた事例
株券を盗取された受寄者からその悪意・重過失による取得者に対してなされた商法229条、小切手法21条に基づく返還請求が肯定された事例
1 旅券発給拒否通知書に拒否の理由として旅券法13条1項5号に該当するとのみ記したことが旅券法14条に違反しないとした事例
2 原告が日本赤軍と連繋関係があるため旅券法13条1項5号に該当するとしてされた旅券発給拒否処分が適法とされた事例
原告日産自動車株式会社が販売する純正部品の包装に使用してきた標章が、不正競争防止法1条1項1号にいう商品表示として周知性を有するとして、同一標章を使用して自動車部品を輸出している被告に対する差止請求及び損害賠償請求が認容された事例
住宅地域において、ガス管敷設工事に伴う土砂及び砕石等の集積、積出し作業によって発する騒音、振動が、大阪府公害防止条例に定める規制値を超える場合であっても、社会通念上受忍限度を超えるものではないとして、損害賠償請求が棄却された事例
共有者を相手として境界確定訴訟を提起した者が相手方共有者のひとりから持分22分の2を譲受けた場合において、自己以外の他の共有者全員が共同訴訟人になっている限り当事者適格及び訴の利益につき欠けるところがないとした事例
児の出産後の脳性麻痺が核黄疸によるとの証明がないとして、産婦人科開業医に帰責事由がないとしたが、児の母親に対する遺残胎盤の不始末につき、債務不履行による慰謝料を肯定した事例
1 企業施設内の組合事務所の貸与が無償であっても、使用者は、合理的理由がなければ、その返還を求めることができないとされた事例
2 使用者が無償で貸与した組合事務所について、使用者にその修繕義務がないとされた事例
3 組合事務所の使用権に基づく妨害排除請求について、弁護士費用の賠償が否定された事例
4 法人格のある労働組合の慰藉料請求権が否定された事例
1 戦死傷も一種の戦争損害であり、保証の範囲、程度は、国の立法政策にゆだねられており、軍人という危険な立場の特殊性又は軍属という法的地位に基づき当然に補償請求権を有するものではない
2 憲法の施行期日前の死傷による損害については、憲法の適用がなく、憲法に基づき、直接、補償請求をすることはできない
3 恩給法及び戦傷病者戦没者遺族等援護法が、その受給資格を日本国籍を有する者に限定しても、憲法14条に違反しない
真正権利者の真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続請求の訴については、原告が登記義務者であるとする者に被告適格がある