1 要素の錯誤又は詐欺を理由とする原告(被相続人の後妻)と被告(被相続人の先妻の子)間における遺産分割の無効又は取消の主張が排斥された事例
2 債務不履行を理由とする遺産分割の合意解除の許否(消極)
何らの権限もないのに、他人の土地上に建物を所有して土地を不法に占有している建物所有者が、土地所有者を相手方として右建物の所有権確認を求める訴の利益があるとされた事例
外資系自動車会社に人事本部長として雇用された日本人が、同社の就業規則の「業務又は能率が極めて悪く、引き続き勤務が不適当」の条項に該当するとしてされた解雇が有効と認められた事例
不動産の贈与を受けた者が死亡した場合、その相続人は贈与者に対し、直接相続人名義に所有権移転登記手続をすることを求めることはできず、受贈者に対し右登記手続をすることを求めるべきである。
農地法3条の許可を条件とする農地についての仮登記に基づく本登記請求及び右本登記の承諾請求は、右条件の成就の可能性が殆ど存在しない場合には、あらかじめ請求する必要がなく、不適法である
1 道路法に基づく市道の路線の廃止若しくは認定、区域の決定若しくは供用の開始又はこれらの公示は、地方自治法242条の2に規定する住民訴訟の対象とならないとした事例
2 市長のした道路建設が違法、不当であるとしてその原状回復を求める住民監査請求がされた場合において、右道路建設のための工事代金として公金を支出したことを理由とする右市長に対する損害賠償の請求が、右監査請求の対象と実質的な同一性を有するとして、監査請求を経由したものとされた事例
株主が会社に対し額面株式と無額面株式との相互転換を請求するには、転換しようとする株券を会社に提出することを要するか(積極)
1 更生計画の、更生担保権の権利変更及び弁済方法の項に「更生手続開始決定日前後の利息、損害金はすべて免除を受け、免除後の額を債権元本とする。」との定めがある場合、免除の対象となるのは更生計画認可時までの利息、損害金に限ると解すべきである
2 更生計画の、更生担保権の権利変更及び弁済方法の項に債権元本が分割払いと定められ、弁済期後の遅延損害金については定めがない場合も、弁済期後の遅延損害金が会社更生法241条により免責されることはない
硬性胃癌を胃潰瘍と誤診したため患者が延命の可能性を失い死亡するに至ったとして、開業医につき債務不履行を理由とする慰籍料の賠償を命じた事例
他人の子を貰い受けて嫡出子として出生届をし、以来20年余の間実子として養育してきた夫婦が、戸籍を訂正して身分関係を明確にする必要から子を相手としで親子関係不存在確認の訴を提起したとしても、著しく信義則に違反するものとはいえないとされた事例
上告審において一審判決には重大な事実誤認を看過した違法があるとして破棄差し戻しされた業務上過失致死傷、道路交通法違反事件について、差戻し後の控訴審において業務上過失致死傷の事実に無罪が言い渡された事例
多数の労働組合員が職場交渉の場に学校長を監禁した旨の公訴事実に対し、校長が自らの意思でその場にとどまっていたのではないかとの合理的疑いを免れないとして、一審の無罪判決が維持された事例
いわゆる粉飾決算を行い、それにより、違法配当(商法489条3号)、特別背任(商法486条1項)及び証券取引法違反(207条1項、197条1号の2、24条1項)の罪がそれぞれ成立するとされた事例
株券を盗取された受寄者からその悪意・重過失による取得者に対してなされた商法229条、小切手法21条に基づく返還請求が肯定された事例
1 旅券発給拒否通知書に拒否の理由として旅券法13条1項5号に該当するとのみ記したことが旅券法14条に違反しないとした事例
2 原告が日本赤軍と連繋関係があるため旅券法13条1項5号に該当するとしてされた旅券発給拒否処分が適法とされた事例
原告日産自動車株式会社が販売する純正部品の包装に使用してきた標章が、不正競争防止法1条1項1号にいう商品表示として周知性を有するとして、同一標章を使用して自動車部品を輸出している被告に対する差止請求及び損害賠償請求が認容された事例
住宅地域において、ガス管敷設工事に伴う土砂及び砕石等の集積、積出し作業によって発する騒音、振動が、大阪府公害防止条例に定める規制値を超える場合であっても、社会通念上受忍限度を超えるものではないとして、損害賠償請求が棄却された事例