青色申告書による法人税の確定申告につき青色申告承認の取消処分後に法人税法57条(昭和43年法律第22号による改正前のもの)の規定による繰越欠損金の損金算入を否認して更正処分がされ次いで青色申告承認の取消処分が取り消された場合に右更正処分の無効確認訴訟において繰越欠損金の損金不算入を無効事由として主張することの可否
不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分が実体的権利関係に適合しないことにより自己の権利を害される者が強制執行法上の手続による救済を求めることを怠った場合と国に対する損害賠償請求の可否
リゾートマンション建設事業に関する総合企画総合管理などを内容とする契約の受託者に、事業が中断し遂行不能になったことについて、債務不履行責任も不法行為責任も成立しないとされた事例
1 リース業者の定める普通契約条款により定型化されている料金、条件等のもとにリース業者から賃借した物件を右契約と同一内容の契約で会社に転リースする行為が商法265条にいう取引にあたらないとされた事例
2 商法265条違反を理由として取引の無効を主張できるのは会社だけであって、取引の相手方である第三者については、これを否定すべきものとされた事例
登記官が所有権保存登記申請について審査、受理及び登記記入する手続に対する執行停止が緊急の必要がないとして排斥された事例
当事者が昭和15年10月30日と主張する時効取得の基礎となる占有の開始日を裁判所が同年11月7日と認定しても弁論主義に違反しないとされた事例
譲渡担保権者は、特段の事情のない限り、第三者異議の訴によって一般債権者がした強制執行の排除を求めることができるとされた事例
1 要素の錯誤又は詐欺を理由とする原告(被相続人の後妻)と被告(被相続人の先妻の子)間における遺産分割の無効又は取消の主張が排斥された事例
2 債務不履行を理由とする遺産分割の合意解除の許否(消極)
何らの権限もないのに、他人の土地上に建物を所有して土地を不法に占有している建物所有者が、土地所有者を相手方として右建物の所有権確認を求める訴の利益があるとされた事例
外資系自動車会社に人事本部長として雇用された日本人が、同社の就業規則の「業務又は能率が極めて悪く、引き続き勤務が不適当」の条項に該当するとしてされた解雇が有効と認められた事例
不動産の贈与を受けた者が死亡した場合、その相続人は贈与者に対し、直接相続人名義に所有権移転登記手続をすることを求めることはできず、受贈者に対し右登記手続をすることを求めるべきである。
農地法3条の許可を条件とする農地についての仮登記に基づく本登記請求及び右本登記の承諾請求は、右条件の成就の可能性が殆ど存在しない場合には、あらかじめ請求する必要がなく、不適法である
1 道路法に基づく市道の路線の廃止若しくは認定、区域の決定若しくは供用の開始又はこれらの公示は、地方自治法242条の2に規定する住民訴訟の対象とならないとした事例
2 市長のした道路建設が違法、不当であるとしてその原状回復を求める住民監査請求がされた場合において、右道路建設のための工事代金として公金を支出したことを理由とする右市長に対する損害賠償の請求が、右監査請求の対象と実質的な同一性を有するとして、監査請求を経由したものとされた事例
株主が会社に対し額面株式と無額面株式との相互転換を請求するには、転換しようとする株券を会社に提出することを要するか(積極)
1 更生計画の、更生担保権の権利変更及び弁済方法の項に「更生手続開始決定日前後の利息、損害金はすべて免除を受け、免除後の額を債権元本とする。」との定めがある場合、免除の対象となるのは更生計画認可時までの利息、損害金に限ると解すべきである
2 更生計画の、更生担保権の権利変更及び弁済方法の項に債権元本が分割払いと定められ、弁済期後の遅延損害金については定めがない場合も、弁済期後の遅延損害金が会社更生法241条により免責されることはない
硬性胃癌を胃潰瘍と誤診したため患者が延命の可能性を失い死亡するに至ったとして、開業医につき債務不履行を理由とする慰籍料の賠償を命じた事例
他人の子を貰い受けて嫡出子として出生届をし、以来20年余の間実子として養育してきた夫婦が、戸籍を訂正して身分関係を明確にする必要から子を相手としで親子関係不存在確認の訴を提起したとしても、著しく信義則に違反するものとはいえないとされた事例