債権差押、転付命令の送達前に第三債務者が被差押債権支払のために手形を振出し右手形が第三者に裏書譲渡されたときは、第三債務者は右手形金の支払以前でも右事実をもって該差押債権者に対抗できるとされた事例
酔余飼犬をけしかけて深夜1時聞余りも吠えさせた者を帰宅させるため、肘をつかんで押したため路上に転倒して頚椎損傷等の傷害を負わせたことが社会的に是認される適法行為とされ、損害賠償責任が否定された事例
ホテル宿泊客が客室の洋服ダンスに収納したミンクのコートを窃取された事案につき宿泊客に客室の鍵を交付しなかった過失があるとし、かつ右盗難による損害が通常損害に当るとした事例
放課後担任教諭の許しを得て教室内で居残り学習中の児童(小学5年生)が同級生の画鋲付紙飛行機遊びにより負傷した事故について担任教諭に過失がないとされた事例
自称代理人が本人から代理権を授与されたと称し本人の印鑑証明書、実印を所持している場合につき、相手方が右代理人に代理権ありと信じたにつき過失があるとして民法110条の表見代理の成立が認められなかった事例
仮登記担保に関する判例が示される以前、公序良俗違反および清算型譲渡担保である旨の主張をして敗訴し、当該前訴判決が確定してから約8年後に、前訴原告の相続人が前訴被告の相続人らに対し、右判例理由に依拠し処分清算型譲渡担保であったとの主張をして目的土地の所有権確認等を求めるのは、前訴のむし返しであり信義則上許されないとされた事例
1 代表取締役個人が振出した手形になされた、偽造の株式会社の手形保証を、右代表取締役が追認したと認められた事例
2 右追認には、取締役会の承認を要する
1 刑訴規則62条1項による住居等の届出の意義
2 控訴申立後に所在不明となった被告人に対し、刑訴規則62条1項による届出がなされていたものであると認定し、刑訴法54条、刑訴規則62条1項、民訴法172条を根拠になされた付郵便送達が適法になされたものであると認めた事例
土地使用が30年以上にわたる使用貸借につき、使用収益をなすに足るべき期間を経過したことを認めたうえ、更に使用期間、使用状況等の事情を総合して、少なくとも民法597条2項但書の類推適用により使用貸借を解約できるとした事例
建物収去土地明渡義務を所定期限までに履行しないときは遅延損害金を支払うとする和解条項につき、右義務の履行が、同義務より先履行の関係にある右建物の賃借人の建物退去土地明渡義務の不履行のため、右所定期限を徒過するに至ったときは、遅滞はなく、右和解条項に基づく強制執行を許さないとした事例
定款変更により株式譲渡制限規定が新設され、右規定に基づく新株券が発行された場合、未提出株券は善意の譲受人に対する関係でも無効となると解すべきである
外国人及び帰化して相当年限を経ていない者を入会不適格とするゴルフクラブの会則取扱細則が公序良俗に反しないとして、日本に帰化して2年9か月を経過したもと在日韓国人に対し同細則に基づいてされた同クラブの入会拒否を違法でないとした事例
他人のためにする生命保険契約において保険金受取人として氏名のほかに被保険者との続柄を示す「妻」との記載がある場合に同女がその後離婚しても依然として保険金受取人であるとされた事例