1 訴因の特定が十分でない起訴状による公訴提起と公訴時効停止の効力
2 2個の事実のいずれに対する起訴であるのか一見まぎらわしく訴因の特定が十分でない起訴状による公訴提起が一方の事実に関する公訴時効停止の効力を有するとされた事例
3 再起訴に対する判断が旧起訴に対する確定判決のいわゆる内容的確定力に抵触しないとされた事例
土地の賃貸人が右土地の所有者でないと判明したことが賃料不払のきっかけとなったこと、解除後ではあるが不払総額を供託していることなどから5年余にわたる賃料不払も無催告解除を理由あらしめる程度の背信性がないとされた事例
不動産賃貸の仲介業者は、賃借希望者の申し出た身元、職業等の事項に疑問がない限り、右事項を委任者に伝えることをもって足り、右以上に右事項につき独自に調査し報告すべき業務上の注意義務はない
美容院の経営に不可欠な備品が違法な強制執行により搬出されたことによって被った損害の賠償請求権の消滅時効は、それが備品の価値喪失、営業上の逸失利益という損害であっても、違法な強制執行が行われた時から進行するとされた事例
被害者がシンナー吸引仲間の窃取し運転する自動車に同乗中電柱に激突死亡した事故について、右自動車の所有者は保有者たる地位を失わないとしつつ、被害者も運転者の窃取行為を容認して同乗に至ったもので、運転者とともに運行供用者であると認めたうえ、被害者は、所有者に対し、自賠法3条の「他人」であると主張することはできないとした事例
1 最低売却価格が低廉であるというだけでは民執法188条が準用する同法71条6号の売却不許可事由には該当しないとされた事例
2 評価人が地価公示法6条の規定により公示された標準地の価格(公示価格)と比準して土地の価格を査定したことをもって社会通念上不相当であるとはいえないとした事例
数名の個人が甲株式会社を標榜して営んでいた貸金業を民法上の組合と認め、その後右個人らにより設立された甲株式会社が右組合の債権債務を承継したものと認めた事例
民訴法31条によってした移送決定において同条にいう「著キ損害又ハ遅滞ヲ避クル為必要アリ」とは認めることができないとして移送決定を取り消した事例
違法建築物についての給水装置新設工事申込の受理の事実上の拒絶につき市が不法行為法上の損害賠償責任を負わないとされた事例
中学生の番長グループが通行人に対し殴る蹴るの暴行を加えて負傷させた事故につき、両親に監督義務懈怠による損害賠償責任が認められた事例