原告の被告甲に対する貸金が、甲、乙、丙の共同事業についての操業資金として貸与され、乙、丙が右事業の運営を甲に一任していた事情があるとして、乙、丙につき右貸金についての連帯債務の成立を認めた事例
殺人罪などで懲役7年の刑に処せられた昭和27年法律第126号該当の者に対して出入国管理令50条1項3号の特別在留許可を与えなかったことに裁量権の濫用、逸脱がないとした事例
仮処分によって賃金の仮払を受けた労働者が本案訴訟において敗訴したときは、右仮払を受けた金員を不当利得として使用者に返還すべきである
借地約330平方メートルの半分を占める庭についてなされた借地法6条の異議につき、庭が賃借人の職業上建物と一体をなすものとみるべきであるとして、その正当事由の存在を否定した事例
信用金庫が預り保管中の定期積金証書に基づき預金者でない届出印のある払戻請求書持参人に対し、同日付同人名義の定期預金に切替えた場合と準占有者への弁済の成否
東京都労働局の民営職業紹介係長が、有料職業紹介事業を営む者に対し、その者が計画中の兼業の会社設立につき、兼業内容を変更するか、その事業を断念するよう勧告した行政指導が違法でないとされた事例
1 本案につき請求棄却の第一審判決の言渡があった場合に、行訴法26条により退去強制令書の送還部分の執行停止決定を取消した事例((イ)、(ロ)、(ニ)事件)
2 本案につき請求棄却の第一審判決の言渡があった場合に、行訴法による退去強制令書の送還部分の執行停止決定の取消申請を却下した事例((ハ)事件)
1 店頭入金における定期預金契約は、出納係が計算確認をしなくても、預金を受け入れる権限を有する者が預金とする趣旨で顧客から金員を受領した時に成立するとされた事例
2 いわゆる導入預金につき、それが「預金等に係る不当契約の取締に関する法律」2条、3条に違反し、かつ、預金者がそれを知りまた知り得べきであったとしても、それだけでは定期預金の成否に影響がないとされた事例
新株発行が取締役会決議の不存在、商法280条ノ2、同条ノ3ノ2および同条ノ10に違反することを理由とする新株の処分禁止等の仮処分申請が却下された事例
精神分裂病患者に対するロボトミーの施行につき、その最終手段性の制約に反し、かつ、患者の承諾をも欠く違法があるとして、医師らの賠償責任を肯定した事例
逮捕・勾留中の余罪取調べを違法とし、その取調べの結果作成された被告人の自白調書の証拠能力を否定し証拠申請を却下した事例
条件付採用期間中の郵政職員が書留郵便物の配達に当り受領証を受取るのをたびたび忘れ、上司に反抗的であり、無許可で勤務を欠き、配達態度が悪いとして配達先から苦情をいわれる等の理由により受けた免職処分が裁量権の濫用にあたるとして取り消された事例
覚せい剤の押収手続に、職務質問に伴う所持品検査の限度を逸脱した違法があるとしながら、令状主義の精神を没却するような重大な違法ではないとして押収覚せい剤の証拠能力を肯認した事例