被害者らによる不正の侵害行為を認定しながら、被告人の行為は憤激の余り積極的に攻撃を加える意図のもとになされたものであるとして、防衛行為に該当しないとした事例
酒に酔って自転車に乗って交差点で転倒した者をでい酔者として保護する際警察官がした実力行使が違法であるとし国家賠償請求が認容された事例
新幹線の列車内で飲食物等の販売の業務に従事していたアルバイト学生が、深夜右勤務を終え、同僚と共に使用者の設けた宿泊所に帰る途中、歩道上の公衆電話ボックス内にあった毒入りコカコーラを同僚が拾い上げたので、これを右宿泊所に持ち帰って飲んだために死亡した事故につき、使用者に安全配慮義務違反等による損害賠償責任がないとされた事例
釜ケ崎越冬闘争実行委員会(越冬実)が釜ケ崎地区の労働者に夜食の弁当を支給し、その代表者がハンドマイクを使用して大阪市当局を糾弾する旨の演説を行ったところから、これを阻止しようとした警官隊が労働者側と対立状態となったところ、その際に警察官が右越冬実のメンバーの1人に暴行を加え、傷害を負わせたとして、大阪府に対する国家賠償請求が認容された事例
1 韓国内で締結された債務引受契約につき日本法を準拠法とする黙示的合意があったと認められた事例
2 ウォンをもって債権額を指定し、かつ、これを日本円に換算して支払う合意がなされた場合につき、その換算率は、履行地の現実の支払時期の換算率によるべきものとした事例
1 地代家賃統制令23条2項但書の併用住宅にあたるとした事例
2 統制令の適用のある建物についても、統制額を考慮のうえ、裁判所が相当な額を定めることができる
民法724条後段の20年の期間は除斥期間を定めたものであり、右規定の「不法行為ノ時」とは損害発生の原因をなす加害行為が事実上なされたときと解すべきであるとされた事例
1階に居住する貸室の賃貸人が2階の貸室の天井裏にインターホンの子器を隠して設置し、親器を取り付ければ借室人の居室における会話が盗聴できるようになっていた場合、実際には親器が取り付けられた証拠がなく現実の盗聴行為は認められなくても、借室人の平穏な私生活の故意による侵害があるとして、転居費用及び慰藉料の損害賠償を認めた事例
競売事件における鑑定価格を基準として処分することなど処分清算方法までも定めた譲渡担保契約において、右約定に従って処分するなど判示事情のもとにおいては、譲渡担保権者として尽すべき契約上の義務の不履行がないとされた事例
河川を暗きょにする工事中の集中豪雨による家屋浸水被害につき、河川管理者に国賠法2条の管理の瑕疵に基づく損害賠償責任が認められた事例
民法915条1項の「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは自分が現実に相続人となり相続すべき遺産(積極・消極財産)の存在の認識が必要か(積極)
交通事故による後遺障害の発生が、傷害の部位程度に照らし、事故当初のころに予想できないではなかったとき、損害賠償債権の消滅時効は事故発生の直後のころから起算されるとした事例
造影剤の静脈注射により患者がショック死した場合において、反応テスト方法の説明とその選択施行につき、担当医師に過失がないとされた事例